【感想】そして誰もいなくなった ①|アガサ・クリスティー
とりあえずアガサ・クリスティー作品を片っ端から読んでいくことにした私。
なぜそんなことをしているのか、自己紹介を兼ねた詳しい経緯はこちらからどうぞ。
「オリエント急行の殺人」の次に読んだのが、「そして誰もいなくなった」だった。
アガサクリスティが自薦したベストテンをとりあえず読ることにした。
ちなみに「オリエント急行の殺人」もベストテンの中に入っているらしい。
あらすじ
兵隊島と呼ばれる孤島に手紙で招待された十人がマザーグースの童謡の歌詞の通りに殺されていって、島には誰もいなくなってしまう。
結局犯人は誰なんだというお話。
どんな童謡なのか?
古今東西、童謡は不気味なものが多い気がする。
そして、この作品に出てくる童謡も不気味で意味がわからない。
この作品のために作った歌というわけではなく、もともとマザーグースにある歌なのだそうだ。
マザーグースってよくわからない歌詞が多い気がする。(ハンプティダンプティ)
兵隊島に集められた十人は何の共通点もなさそうに思えるのだが、実は過去に人を死に追いやっている(多くは間接的に)。
その裁きを受けさせるために彼らは兵隊島に集められたのだった。
島に集められた十人とその罪
ロレンス・ウォーグレイブ…元判事。陪審員を誘導し、エドワード・シートンを死刑にした。
ヴェラ・クレイソーン…体育教師。教え子のシリル・ハミルトンが海で溺れたのを見殺しにした。
フィリップ・ロンバート…元陸軍大尉。アフリカの奥地で道に迷い、部下である部族民二十一名を見捨てて、飢え死にさせた。
エミリー・ブレント…老婦人。使用人の娘が妊娠したことで激怒し、娘を解雇する。娘はそれを苦に自殺する。
ジョン・マッカーサー…退役軍人。妻の愛人で自分の部下のリッチモンドに危険な任務を行わせる。その結果、リッチモンドは戦死する。
エドワード・アームストロング…医師。飲酒した状態で手術を行った結果、患者が死亡する。
アンソニー・マーストン…青年。スピード超過による交通事故で子供二人を轢き殺した。
ウィリアム・ブロア…元警部。偽証して無罪の人間を有罪にでっち上げ、刑務所送りにする。その人は刑務所で死亡する。
トマス・ロジャーズ…執事。主人であるブレイディーのために医者を呼ばず、見殺しにした。
エセル…執事の妻。ブレイディーを見殺しにした。
正直、マッカーサーは他の人ほど悪くないんじゃないと思う。
自分の妻が部下と浮気してたら腹立つし、わざと危ない任務に行かせるくらい、誰でもやると思うの。(普通はやらないんだろうか?)
それで100%死ぬかどうかだってわからないし、殺されなければいけないほどに責められることなのかと思った。
十人は歌詞の通りの方法で一人ずつ殺されていく。
兵隊島は船がなければ行き来できず、外界と隔絶している。
犯人は絶対にこの島の中にいるはずなのに、誰なのかわからない。
殺されていく人数が増えるにつれ、集められた者たちは互いに犯人ではないのかと疑心暗鬼になる。
しかし、犯人が誰かわからないまま最後の一人も死んでしまう。
というお話。
結局犯人はこの中にいるのだけれど、私はまた当てられなかった。
そして動機がサイコパス味を感じさせるものだった。
他の9人は、そんなことに巻き込まないでくれと言いたくなるだろう。(まあ大体悪いやつなので仕方ないのだろうか。)
ネタバレありの感想は次回書こうと思う。
つづく
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