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椎間板ヘルニア 入院/手術顛末記 その2 ついに入院編

2020年5月、重度のヘルニアにより、手術することになりました。入院前、たくさんの先人たちのブログを読んで、そのありがたみを実感したので、自分も記録を残そうと思います。

前回、入院前夜編で発症から病院決定までを書きましたので、入院、手術へと進めたいと思います。

5月12日 相変わらず、ろくに眠れず、朝を迎え、8時の救命タクシーのお迎えを待つ。やったことと言えば、念のため、激痛トイレで小便も済ましておいたくらい。

8時前に、タクシー到着。奥さんの先導でストレッチャーを二階まで上げてもらう。ちなみにマンションのエレベーターは、入口正面の鏡面が、観音開きになっていてそこを管理人さんに開けてもらうと、奥行きができてストレッチャーも乗る仕様になっていた。あのエレベーターに乗るのか?と疑問を持ち、前日から管理人さんと確認してくれた奥さんには感謝しかない。

ストレッチャーには、自力で乗り、そのままバンに積み込まれて病院へ。体が固定され、痛みに合わせて寝返りできないのが辛いが、普通のタクシーよりは遥かに快適であろう。病院についてからも、タクシー会社の方が中まで運んでくれて、受付への声がけなどもしてくれました。

勝手な思い込みで、ストレッチャーで病院行ったら、看護師さんなりが来て乗り換えて、ここでバトンタッチかと、思いきやそんな感じはなく、あくまで一人の外来として、付添いが必要とのこと。幼稚園の子供いるので、奥さんも付き添っていなかったのだが、タクシー会社の方が1名引き続き残ってくれることに。せめて、車椅子になれれば、ですが座っているだけで足の筋肉全部剥がされる痛みの刑になってしまうのでやむなしでした。

しばらく待って、ストレッチャーのまま診察室へ。脊髄の専門たる先生は、ずんぐりとされた初老の手前、洋菓子や和菓子の職人さんを彷彿とさせる優しい方でした。ひとしきりこちらの病状を伝え、先生も診察したところ、まず、第五腰椎と仙骨の椎間板のヘルニアだろうとのこと。もちろん外見だけでは分からないので、MRIを撮ることとなりました。

椎間板ヘルニアは痛みもさるのとながら、痺れ、麻痺がやばい症状なのでその確認もされました。ストレッチャーで仰向けになり、足首を直角にして上向きに。先生が、甲側から足首を倒そうとすると右足は力を込めれば倒されないのに、左足は、、力が入らない、というか力の入れ方が分からない、みたいな感じで倒されてしまう。同じく足の親指も力が。。自分の足が他人のもののようで怖かった。先生からは、

痛みも酷いし、運動能力の低下もあるから手術をした方が良いと思う。ただ、手術は全身麻酔で行うので、それはまたリスクもあります。私達は治療する事が目的ではなく、患者さんをハッピーにする事が目的だから、手術か痛み止めでの経過を見るか、ご家族含めて良く考えてね。

とのお話し。椎間板ヘルニアというほとんどが手術無しで治る病である事を踏まえた言葉にちょっとジーンときました。

MRIは、閉所はさることながら今の自分には、20分間体を動かしてはダメ、というプチ拷問に耐えて撮影終了。終盤はサンボマスターを頭の中で流して乗り越えました。改めて先生の診察を受けると、最初の診察の通りの第五腰椎のヘルニアで間違いないとのこと。

「どうする?この状態では、入院するのは構わないけれどその後、手術するか、経過見るか、、?」

もう、痛みが辛い、痺れも広がって足の動きがおかしいのも目の当たりにした、大小便も満足にできず生活そのものが辛い、奥さんには入院、手術になる可能性もあることは話してあった、といあことで、すぐに手術をお願いしました。先生は、毎週火曜日しかこちらの病院に来ないのだが、本籍の病院が、コロナの影響で外来を断っており、時間が取れるということで、このまま入院、5月15日金曜日に手術と相成りました。

ここで、13時くらいとなり、ついに看護師さんとバトンタッチ。朝から付き添っていただいた救命タクシーの方ともお別れです。その後は、入院前の検査として採血、心電図、呼吸器チェック、レントゲンと移動。当然ストレッチャーなので、看護師さんが付きっきりになり、本来なら自分で回るものなのだよな、と思うとご迷惑で申し訳なかった。

レントゲンは寝たままで撮ります、と言われて安心したのが、痛い左足を下側にして横たわらないとダメ、というほぼ拷問。レントゲンなので数分程度だと思うがかなりの痛みが足に残ることに。全て終えて、しばらく待機してから病室に。リーズナブルな大部屋を所望したのだが、ちょうど満室ということで、小児科の二人部屋を一人で使うこととなって、夕方になって一息落ち着きました。

部屋に入ってもレントゲン撮影時の痛みは取れず。結構きついので痛み止めをお願いしていたのだが、一向に届かない、悶え待ち望んでいると、本日最後のイベント「ブロック注射」に呼ばれたのでした。ブロック注射には、いくつか種類があるようで、今回受けたのは激痛で名高い神経根ブロックでした。簡単に言えば、症状の出てる神経を特定し、そこに薬なり麻酔なりかけて痛みを取る、と言うものです。お察しの通り、神経に直接触れちゃうわけだから、激痛、もう拷問そのもの。

経過としては、レントゲン台の上に横たわり(今回は痛い方の足が上!)腰の腸骨?のあたりに麻酔を打つ、その後体内を映し出しながら、まずは神経を探し出し、あたりをつけて針でツンツンする。この時神経に触れると、ビクッと電気が流れるように痛みが走るのです。今回は足の先の方が患部なので付け根から足先に流れれば問題の神経を見つけたことに。ただ、思ったよりも見つからないようで、「あれ?ここ?」「ここは?」というのが続いたあと、「ここは?」(ビリリ!)「痛い、そこです、きました!」「え、ここ?」(ビリリ!)「はいそこです、きてます!!」「はいじゃあ、ここね」(ビリリリ!!)「痛い、そこです、そこです、ギャハハハハ」と、一周回って笑ってました。絶対三回目は余計だったと思う。

この後、神経に直接麻酔をかけて、その度に痛みは伴うもののブロック注射は無事終了となりました。とはいえ治療も虚しく、二時間効くよと言われていた麻酔もあえなく、一時間ちょっとで切れてきて、終わってみれば元の通りの痛みに戻りました。俺のヘルニア恐るべし。

部屋に戻ると、もう夕食の時間、久々に家のベッドからも動いた(ほとんど寝そべっていましたが)からか昨日に比べれば食欲もあり、相変わらず横たわったままでもそもそと、いただき、やっとこさ届いた痛み止めを飲んで、怒涛の1日が終了しました。

この後手術を経て、12日間入院するのですが、長くなりましたので、「いよいよ手術編」に続きます。


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