中国から脱出したいというお話しをよく聞くようになりました。

もしかすると、今までも海外へ移住したいという気持ちがあったのかもしれません。今までは、いつか海外で暮らしたいなぐらいの気持ちだけだったのが、費用を調べてみようとか、ビザのことを確認したりとか、日本語教師であるわたしに方法を尋ねたりします。留学や移住への憧れは、強い気持ちに変化しているようです。

たいていの人は、子どもの将来を考えて海外への移住を考えます。

今の中国の教育方針は自分の子どもに合わないと感じていたり、強烈な受験レースに勝ち抜けたとしてもダメージもある。さらには学歴があっても仕事が見つからないのではないかという悩みもあります。

もちろん日本を含め、他の国に移住して教育を受ければ問題が解決するわけではありません。でも、山のような宿題を出されて、子どもらしく過ごすこともできない状況を毎日見ていると、別の国に行ったほうがよいのではと考えはじめるのも理解できます。

さらにロックダウンの報道をみて、これはダメだと感じる人も増えています。もし同じことが自分の住んでいる場所で起きたらと思うと、もうダメだ〜と考えるようです。

たしかに上海のロックダウンの様子を聞くと、同じことが起きたら相当にしんどいだろうなと思います。面倒なことが起きかねないと思う気持ちがあると、少しずつ余裕とか前向くな気持ちが削られていくのか、わたしだって帰国するのにエアチケット幾らかな？なんて検索を始めます。

それと同じ感覚で、中国の皆さんの中には、カナダやヨーロッパ、日本などに移住するのにどれくらい費用がかかるのか検討しはじめるのでしょう。

ちなみに日本への留学を説明している中国のサイトによると、年間10万元（200万円）程度の費用が必要のようです。ただ、大学の学費も含めて200万では生活は大変だと思います。

でも20万元くらい必死で貯金して、あとは日本でアルバイトしつつ大学へ通う。そして大学を卒業したら日本の企業に就職し、永住権の取得を目指すというプランは、わかりやすいと感じる中国人は少なくないようです。

わたしの知人にも、そうやって日本での永住権を取得し、日本でマイホームを購入した中国人もいます。

今はコロナの関係で、自由に行き来できませんが、状況が緩んだときに留学や移住を考える中国人がどっと増える可能性もありますね。

ここまで書いてきて、ふと思ったのですが、日本を出て留学してみようとか、外国で生活してみようという人たちの動機ってなんなのでしょう。

わたしもその海外生活者のひとりです。

わたしの場合は中国への興味と、人生のうち数年は日本でないところで暮らしたいという気持ちが動機でした。「日本はダメ」という動機ではありません。他の人も同じとは思いませんが、日本を見限って海外へという話はあまり聞きません。

対して、中国人が移住や留学を考える時は、大抵「中国はもう無理」という意見です。そう考えると日本ってやっぱり住みやすく、不都合も少ない場所なんだろうなって思いました。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日。