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日本人は空気を読む?:日本と中国のコミュニケーションを比較してみた件

日本人は行間や空気を読みながらコミュニケーションをとることが求められます。

「今夜は月がきれいですね」が「あなたのことが好きです」という意味だなんて言う人がいます。これって本当なんでしょうか?

「月がきれいですね」なんて言われて、「今夜の君の方がもっと美しいよ」なんて決して言えない私が結婚できたのは、20世紀最後の奇跡だったと心から思ってます。

どうでも良いお話ははさておき・・・

日本人は本当にハイコンテクストに慣れていて、相手の気持ちに寄り添いながら少ない言葉でコミュニケーション取れているのでしょうか?

20年以上、妻様と一緒に暮らしていますが、未だに言った言わないで揉めますし、伝えたかったことが正しく伝わってないことばかりです。

つまり、日本人の言わないでも伝わるというのは神話であり、多くの悲喜劇を生み出しています。さらに、業務の効率を下げていることでしょう。

では、どうして日本語はハイコンテクストで、なおかつ言葉が少なくても相手に意図が伝わると思われているのでしょう。

それは日本語の様式美と関係しています。

例えば、デートに誘われてお断りするとき、超ローコンテキストで知られるドイツ人は「お前とデートするつもりは一切ない。そもそも、どの面下げてわたしにデート申し込んでるんだ?次申し込んできたら警察に通報するぞ」と言います。知らんけど。

しかし、日本語であれば「すいません、ちょっと・・・」ですみます。

日本人がこの時に使った「すいません、ちょっと・・・」は、ドイツ人やスイス人が話す「お前とデート(略)警察に通報するぞ」と同じ意味です。

つまり、日本人は「すいません」と謝り、なおかつ「ちょっと」という、良いのか悪いのかわかりにくい言葉を使って、明確な拒絶を示すのです。

日本語に、こういう言葉が他にもあります。

「お出かけですか」と近所の人に声をかけるのも、別にどこに行くのか詮索するつもりはなく、ただ単に「こんにちは」の意味です。そして「ちょっと、そこまで」と答えるも、英語の「Hi」とくらいの意味です。

日本語学習者が、こういうお約束に気づくと「日本語はハイコンテクストやわ〜」ってなるのでしょうね。

では、中国語はどうなのでしょうか?

場合に寄っては日本語以上に空気読むことが求められます。

例えば、学内で学生がわたしを見つけると「先生」とか「くまてつ先生」と声をかけてくれます。わたしも手を振り答えます。

でも、それだけです。

つまり、中国では「先生」や「○○先生」は「○○先生、おはようございます。今日もよろしくお願いします」と同じ意味です。

この部分は日本語以上にハイコンテクストですね。

さらに、「ご飯食べた」としょっちゅう聞かれますが、これは「こんにちは」と同じ意味です。文の内容をそのまま受け止めてしまってはいけません。

食べてないと答えても食事に誘われたりしませんので、適当に答えて大丈夫です。

それで、日本語だけが特別ハイコンテクストってわけでもなく、中国語だってそれなりに空気を読むことが求められるってことです。

そして、わたしが中国人と中国語で話すとき、気をつけていることがあります。

それは、詳細までしっかりと話すということです。いつ、どこで、だれが、なにを、どのようにしたか?なぜそうするのか?などをキチンと説明します。

そうしないと、相手も内容を察することができないからです。

ただでさえ、発音はあやふやで不完全、語彙の選択も甘く、加えて文法上の誤りもあったりするわたしの中国語。そこから言外のメッセージを受けとってほしいなんて無理な話です。

それで、これからもハイコンテクストな文化に浸りながらも、コミュニケーションは要点を詳細に伝えることを心がけたいなと思ってます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!

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