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中国に住むわたしが思う「ゼロ秒思考」でも「ゼロベース思考」でもなく「ゼロ思考」な人たちのお話

ゼロ秒思考という言葉をご存じですか?

赤羽雄二さんが「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」という本の中で紹介したメモ術です。

じっくり考えてメモを作るのではなくて、「A4の紙に“1枚1分”」でメモ書きをすることにより、即断力を高め、思考の質とスピードを上げるメソッドです。

そして、ゼロベース思考とは過去の経験や知識、つまり思い込みをゼロにして、白紙の状態から物事を考えることです。

ゼロ秒思考にしてもゼロベース思考にしても、実践できれば間違いなく発想力を強め、思考のレベルも向上させることができると思います。だからこそ多くの人に受け入れられ実践されているのでしょう。

さて、中国で暮らすわたし。周りに多くのゼロ思考の人がいます。

ゼロ思考の人たちはゼロ秒で反応し、自分の気持ちの赴くままに行動する人たちです。では、ゼロ思考とゼロ秒思考・ゼロベース思考のを比較しながら、わたしが何を見たのかについて紹介します。

ゼロ思考とゼロ秒思考の違い

ゼロ秒思考を続けていると、課題を整理し分析し、解決策を考え出し、意思決定をするというプロセスを瞬時に行えるようになります。

ゼロ秒思考を持つ人は、決定まで迅速に決定するので、端から見ると本当にしっかり考えているのかと思われることもあるくらいです。しかし、これは体操選手が訓練を繰り返すことで考えずに身体を動かせるようになるのと同じく、日頃の鍛錬の成果です。

それに対してゼロ思考は、課題を整理もしなければ分析もしません。

解決策もその場しのぎのものか、いつもと同じ方法を採りがちです。ゼロ思考の持ち主も決定までスピーディに行いますが、そこに深い思考はありません。

中国で良く聞く「没办法(しかたない)」はゼロ思考の結果でしょう。課題の存在には気づきますが、分析は行いません。また、本当は解決可能な問題でも、課題の本質が見えないので解決できないものを判断します。

また、本当はじっくり考えるべき問題なのに、問題として捉えず課題を放置したりするので、要らぬトラブルを引き起こすこともあります。

同じミスを繰り返すのもゼロ思考の結果です。

ゼロ思考とゼロベース思考の違い

ゼロベース思考とは、自分の経験や今まで得た知識、また自分の思い込みや常識を一度捨てて、フラットな見方で物事を考えることです。

ゼロベース思考の人は、ユニークなアイデアを見つけだすことができます。また偏見にとらわれないので、チャンスを掴みやすいという傾向があります。

それに対してゼロ思考の人はゼロベース思考とは反対のトレンド思考に支配されています。日本人は○○だとか、中国人は○○だとか決めつけます。

ゼロ思考の中国人は、問題点を指摘したり、課題を検討したりすると「中国很大(中国はすごくでかい)」とか「中国人太多(中国人多過ぎ)」とか関係のないことを言いだします。

例えば、列に割り込む人について中国人と話しても「中国很大(中国はすごくでかい)」「中国人太多(中国人多過ぎ)」だから仕方ない。

環境問題について話し合うと「中国很大(中国はすごくでかい)」とか「中国人太多(中国人多過ぎ)」と返す。

そして、最後には日本だって処理水を海に捨てているだろうとか、日本は社会秩序を守っていないと個人の話と国の話を混同します。

ゼロ思考の人にどう対応するか?

ゼロ思考の人は、深く物事を考えたり、フラットにモノを見ることができないので、取扱に注意が必要です。

もっとも効果的な方法は受け流すことです。相手を説得しようとしても無駄です。

とりわけ中国人が「中国很大(中国はすごくでかい)」とか「中国人太多(中国人多過ぎ)」と言いだしたら、理性的で論理的な話し合いをしようとしても無駄になります。

理屈にあわないことを主張した時点で、相手は課題を分析することも、フラットに物事を見ることを諦めているからです。

わたしはいつも「そうですか」とだけコメントしています。そして、話し合いが可能な別の人を探すようにしています。

もちろん、ゼロ思考なのは中国人だけではあります。日本人にだってゼロ至高な人が大勢います。

そして、わたしだってある分野ではゼロ思考的な考え方になっているはずです。

それで、できるならこれからもゼロ思考ではなくて、ゼロ秒思考、そしてゼロベース思考で物事を捉えられるようにならなきゃと思ってます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
また明日!

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