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忘れもの|あとがき

◇読了時間目安:約3分(1500字)◇

小説「忘れもの」を読んでくださり、ありがとうございました。ここでは、あとがきとして自分がやりたかったことや伝えたかったこと、反省点などを書いていきます。

本編はこちらからお読みください。


『モチーフ』

この小説を書き始める前、時期も時期だったので、「クリスマスにちなんだものを書こう」と思いました。しかし、クリスマスにちなんだ、とは言うものの、肝心の中身が思いつきません。来る日も来る日も「クリスマス」と唱えるだけで過ぎ去って行き、伝えたい事も何も思いつきません。

そこで、とりあえず一度執筆から離れて、大好きな内田康夫さんの本を読むことにしました。そう、現実逃避です。しかし、この現実逃避をしたことで、私の頭はリフレッシュされました。

昔から本を読めば何かが変わると分かっていながら、忙しさにかこつけて本を読むのをおろそかにしてしまう事が多々ありました。今回はそんな自分への戒めというか、今まで本にたくさん助けられた自分を描いてみようと思いました。


『伝えたかったこと』

伝えたかったのは、先の通り、「本はあなたを助けてくれる」というものです。自分の娘には、この事をどんな時も覚えていて欲しいなと思います。

もちろん、ノウハウ本を読んでビジネスが成功するとか、そういった類いの話ではありません。

この小説のように、実際には何も状況が変わっていないのに、気持ちが明るくなったり、心が前向きになったりするような事です。

世の中にあるすべての本がそうだとは言えませんが、それでもそういった本が多くあります。自分の娘にはそういった本とたくさん出逢って欲しいと思い、この小説を書きました。


『こだわった点』

今回は出来るだけ無駄な、というか意図のない描写をしないように気をつけました。ともすれば手癖のように「それっぽい」表現をしてしまうので、ひとつひとつ自分で意図を明確にしながら、書きました。

しかし、あとがきを書くにあたり読み見返してみると、「それっぽい」表現をしている箇所がいくつかありました。あんなに推敲したはずなのに……。シンプルに書くのはとても難しいなぁと感じました。


『反省点』

いくつも反省すべき点はあるのですが、一番の反省点は「男の人」のキャラクターです。

この「男の人」はサンタクロースをモチーフにしていますが、実際は……というところをあまり深く考えていませんでした。実際にサンタクロースが「サラリーマン」の格好をして来てくれたのか、それとも「サンタクロース」っぽいサラリーマンなのか。

このあたりを自分でも曖昧にしてしまったので、小説の中でもいまいちこの「男の人」の掴みどことがなかったように思います。

さらに、雰囲気としては「風変わりな印象」なのに「気障」っぽいところがある、としているので、なんというかあまりかっこよさそうではないですよね。

私としては、『ちょっと変わっているけれどどこか憎めないところのあるキャラクター』にしたかったのですが、なんだかよく分からないキャラクターになってしまいました。

さらにもうひとつは、もっと「R」と「男の人」の会話を描写すべきだったと思いました。会話をもう少し丁寧に描写すれば、「男の人」のキャラクターや2人の距離の変化などが描けたはずです。

そして、そうすればもっと物語の中に踏み込んでもらえたように思います。

どうしてもクリスマスにアップしたかったので、雑になってしまった部分が多々あり反省は尽きませんが、次回アップする際にはもっと丁寧に推敲して、納得のいくものをアップできるように頑張ります。

今回も小説「忘れもの」と「あとがき」をお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

小原由香里


お読みいただき、ありがとうございます。もし気に入っていただければ、今後も遊びにいらしてください。よろしくお願いします。