哲学ダイアグノーシス_-_コピー

note版 哲学ダイアグノーシス 第十一号  特別編・「ツール」としての哲学(2)

<note版>

あなたの想いが哲学になる、

経営者・ビジネスリーダーのための読むエクササイズ

<哲学ダイアグノーシス>

第十一号 特別編・「ツール」としての哲学(2)


先月のことになりますが、ビジネス誌『週刊ダイヤモンド』(2019年6月8日号、ダイヤモンド社)で哲学の特集が組まれました。このエッセイの読者の皆さんの中にもお読みになった方々がいらっしゃるかもしれませんね。実はこの特集、私の知人や研究仲間などもかかわっており、また、特集のタイトルが「仕事に必須の思考ツール 使える哲学」ということで、「ツールとしての哲学」を提唱している私としても、当然、発売前から興味津々でした。

実際に読んでみると、なかなかに充実した内容でした。哲学についてのアカデミックでありながらも分かりやすい解説、哲学がビジネスの現場においてどのように役に立つのかといった事例の紹介、カリスマ経営者たちについての哲学的観点からの解説、ビジネス倫理や技術倫理や生命倫理といった今後ビジネスの世界でも重要になってくるであろう課題の紹介、さらには「お笑い芸人」の「ネタ」や「J-POP」の楽曲の哲学的解釈、といったことにまでおよんでいます。また、日本ではなかなか知る機会のない、フランスの大学入学資格試験「バカロレア」の、哲学の問題と解説が掲載されており、これは資料としても貴重です。

しかし私にとって、「哲学ダイアグノーシス」との関係でなんといっても興味深いのは、「哲学シンキング」や「哲学コンサルティング」の企業への導入の事例紹介でした。

たとえばグーグルやアップルといった優れた企業が、コンサルタントとして「お抱え」の哲学者「イン・ハウス・フィロソファー(企業内哲学者)」の採用を始めている、といったことが紹介されています。そして、次のようにいわれています、

ビジネスにおける哲学の実践が世界的に広がる中、日本でも哲学コンサルティングを取り入れる企業が今後、増えていくだろう。(74頁)
ビジネスにおける哲学の実践が世界的に広がる中、日本でも哲学コンサルティングを取り入れる企業が今後、増えていくだろう。(74頁)

……はい、大事なことなので二度言いました(笑)。中畑、グローバルなビジネスの動向に敏感な皆さまからのお仕事のオファーを、心よりお待ちしております(笑)。

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