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ミレニアル世代、Z世代ってどんな世代?

多くの人は、自分がステレオタイプにカテゴライズされると反感を持つ。でも、他人をカテゴライズすることは好きな人が多い。X世代、ミレニアル世代、Z世代といった分類もその一種。新語を生み出さん、とばかりに頭をひねって分類ラベルを考えるメディアや社会学に携わる人たち。若かりし頃は、皆、ひとまとめに括られることを良しとは思わずに、少なからず反発する気持ちがあったはずなのに。

そもそも、生まれた年代だけで分類するという手法は、多様性が認められている今の時代にはあまり向いていないように思います。以前なら、画一的な教育システム、社会構造、限られた情報源、こういった条件が揃っていたために、大まかな年代による分類でも、ある程度は機能していたように思えます。しかし以前に比べ、情報量は格段に豊かになり、まさにWorld Wide なWebによって国境を越えたコミュニケーションも容易になったボーダレスな時代。それによって人々の思考、思想も多岐に渡るようになりました。それをステレオタイプに分類されたら、反感が生まれても当然ですよね。

それでも世代ごとに区分したい人は、それぞれの世代が多感な時期に、どのような衝撃的な経験をしてきたのか、ということをあらためて見直してほしいと思います。例えば、東日本大震災。赤ん坊の時に経験するのと、中高生の時、社会人になってからでは、当然、受け取り方が大きく異なります。さらに言えば、世代ではひとくくりにできないのが、その時どこで過ごしていたのかという地域性。首都圏で帰宅難民になっていたのか、津波被災地にいたのか、メディアを通した情報で客観的にしか経験していないのか、それによって、それぞれが生活に受ける影響は大きく異なります。

災害のみならず、オリンピックや万博などの国を挙げての大きなイベント、戦争や経済危機など、社会に重大な影響を与える出来事は様々です。各年代別に、これらのイベントをまとめた表がこちらです。

各年代の出来事年表

資料によっては多少、範囲がズレていることもありますが、大まかには合っていると思います。各世代ごとに20歳を迎えるのが何年頃になるのか、幅を持たせて斜めに色分けしてあります。例えばミレニアル世代初頭に生まれた子供たちは、小学生低学年の時にバブルの終焉を迎え、小中高の教育を受けている間に就職氷河期をやり過ごし、高校卒業前の頃合いで、ゆとり教育が導入されました。Z世代初頭に生まれた子供たちが中学生になるころには、iPhoneが産声を上げ、リーマンショックを迎え、AKBは総選挙に勤しんでいました。そして将来のことを真剣に考える高校生になったころに東日本大震災に見舞われます。Z世代末期に生まれた子供たちは、赤ん坊の時からiPhoneが普及した環境で育ち、東日本大震災もリアルタイムで体験しているのは復興期のみ。小学生のうちにCOVID-19で在宅学習を余儀なくされ、延期開催となった東京オリンピックを経験します。

このように考えると、一概にゆとり世代だから、Z世代だからと、ひとくくりに分類してしまうのは、あまりにも乱暴なことだと思います。それぞれが多感な時期に、どこで、どんな経験をしてきたのか、どんな本を読み、ゲームやスポーツをしてきたのか、創作をしてきたのか、小学校、中学校を受験したのか、そういった経験によって人それぞれの個性が培われていきます。

それは大人になって社会に出てからも同じこと。会社員として働く人はそれぞれの業種、職種による視点や規範を持ち、政治家は政治家の、教育者は教育者のそれぞれの観点を持って社会の中で活動しています。それでも各業種や職種、立場などは各世代の分類ほどメディア上で明確に公言されることはありません。それは、おそらく差別として受け取られてしまうからでしょう。そのように考えると、ステレオタイプに分類することにはなおさら慎重にならないといけません。表現を間違えれば、一種のハラスメントと捉えられてしまうことに成りかねないかもしれません。

上記の年表に、代表的なアーティストの活動開始時期も加えました。それぞれのパフォーマンスや歌詞、メロディーを振り返ると、どういった音楽がそれぞれの時代に受け入れられていたのか、その当時のそれぞれの経験とともに思い出されるのではないでしょうか。ヒットする音楽や映画、TV番組などには少なからず世相を反映して共感を得るものもあるので、そういった見方をしてみるのも面白いと思いました。

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