見出し画像

研究計画発表会がありました

大学院の修士論文の研究計画の発表会がありましたので、自分の研究計画について紹介しつつ、この先どんなふうに進んでいくのかを紹介したいと思います。


大学院での研究計画発表会がありました

今年度から通っている武蔵野美術大学 大学院クリエイティブリーダーシップコースの修士論文の研究計画発表会がありました。研究計画発表会と言っても、まだまだ荒い内容ですし、ここから実際の研究活動を通して「明らかにしたい内容」をシャープにしていくことになります。

今回の発表はひとり5分なので研究テーマ・研究計画を抜粋して紹介し、5分でフィードバックをもらうと言う形式です。約30名の同級生がいるので全部で5時間ぐらいの長丁場です。

私自身の研究テーマとしてはこちらのnoteに書いたときから殆ど変わっておらず「地域通貨・コミュニティ通貨を使った価値交換」なのですが、今回は「どこを研究フィールドにするか?」「どうやって研究を進めるのか?」などを検討して発表しました。

こういった報告会や講評会が良いのは、自分へのフィードバックだけではなく他の方へのフィードバックを聞くことができ、それを「自分の研究に当てはめるとどうなるか?」と思考を深められることです。

研究の概要

今回の発表会では「発表のフォーマット」は決まっておらず、各自が今の状況を踏まえてフォーマットを用意し、プレゼンしました。ざっくりですが、みなさん以下のような項目について発表していました。

  • タイトル

  • 概要

  • 背景

  • この研究で明らかにしたいこと(リサーチクエスチョン)

  • 目的・目標

  • 研究方法

  • 研究フィールド

  • スケジュール

  • 先行研究

私の研究計画をシェアします。(研究を進めていく中で、色々変わりそうですが、現時点版ということで😅)

概要

本研究では、同じ目標に向かって共に学習する人たちが集まった「学習コミュニティ」における「教える・教わる」「頼る・頼られる」「励ます・励まされる」といったコミュニティメンバー同士のやり取りにコミュニティ通貨がどのように関与するかを明らかにする。

背景

価値交換のツールとして広く流通している法定通貨は、日本国内において誰もがアクセスでき、価値尺度として共通認識されている。一方で様々な理由(※1)により法定通貨で取引されない価値がいたるところに存在する。そのような価値が見過ごされ、価値交換されない状況は社会的な損失だと考える。

また、学習で得た知識やスキルは、物質的な商品とは異なり、「教える」という行為によって誰かに提供することは容易である。しかし学習は基本的に個人で努力するものであり、その成果は評価や報酬として個人に帰着するので、自分の学習時間を削ってまで他人に教える理由が見出しづらい。(逆に、チームスポーツや音楽バンドなどでは、教え合いが組織全体の成果に繋がるので、教え合いが起きやすいと想定される。)

そのような学習コミュニティでは「教える・教わる」「頼る・頼られる」「励ます・励まされる」という価値交換が起きづらいと考えており、そこにコミュニティ通貨(※2)を導入することでコミュニティ内の価値交換やメンバーの意識変容・行動変容をシャープに観察することができると考える。

※1:商品としてメニュー化しづらい、提供と受領のタイムラグが大きい、提供者と受給者が不明瞭、など。
※2:コミュニティ通貨:法定通貨とは異なりコミュニティ内のみで利用できる価値交換ツール

リサーチクエスチョン

コミュニティ通貨を学習コミュニティに導入することで、コミュニティメンバーにどのような行動変容があり、コミュニティ内の価値交換にどのように影響するか、またコミュニティとしての学習がどのように起きるのかを探索的に明らかにする。

目的

法定通貨では取引されず見過ごされている価値を、コミュニティ通貨によって顕在化させ、価値交換可能にする。そのための要素(人・ツール・交換対象)や意識変容へのトランジションを明らかにする。

目標

本研究では、学習コミュニティというフィールドにおいてコミュニティ通貨を導入してコミュニティへの影響を確認する。その際「法定通貨以外のもので価値交換するワークショップ」や「減価する通貨を使うワークショップ」を実施し、参加メンバー個々人の自己効力感や、チームとしての成長実感にどのように影響するのかを確認する。

他にも、研究方法や研究スケジュールなどもありますが、まだまだ具体的ではないのでここでは割愛します。

この後

この後は研究の準備を進めつつ、まずは同じ領域での先行研究などを調べながら、自分の研究の独自性や意義性を確認していきます。(既に誰かがやっているのであれば、同じ研究をする意味は無いので。)
そして実際の研究フィールドでリサーチを進めていくことになります。今回は「外部から第三者として観察する」のではなく、「フィールドリサーチ・アクションリサーチという手法で、自分自身がフィールドの中に入ってリサーチする」予定です。この辺りも楽しみです😊

今回の研究計画発表会で得たフィードバックとしては、主に以下の5点がありました。

  • 自分の研究の意味付け・意義付けを明確にする。

    • なぜ自分がこの研究をするのか?なぜ武蔵野美術大学でやる必要があるのか?)

  • ビッグワードに飲まれないようにする。

    • 既に世の中にあるフレームワークや概念に安易に当てはめてしまうのではなく、「自分の違和感や驚き」を大切にして、独自の部分を見出す。

  • 頭の中だけではなく身体性を大切にする。

    • すべてをロジカルに整理して説明しようとするのではなく、実際に自分が動いてみて感じた身体的な感覚を大事にする。

  • 「研究」としての建付けも考える

    • 研究手法を重視しすぎてしまうと、研究の目的が変わってしまう。研究によって明らかにしたいことを明確にし、しっかり持ち続けることが大切。

  • 「これは来る」というゾクゾク感

    • 「研究」は手紙なので大枠だけでも細部だけでも成果に届かないが、ある意味で「山師」のように「ここだ!」と思えることも必要。

これらのフィードバックを受けて個人的には「コミュニティ」「通貨」「価値交換」という概念が一般的すぎて意味が広いので、この研究において何を意味しているのかを再定義する必要があると感じました。

そんな修士論文ですが、来年の12月には提出することになるのでなんやかんやであと1年しかありません。2年間の大学院とはいえ、あっという間です。思いっきり取り組んでみたいと思います。

くらnoteのスキマ ポッドキャスト

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?