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そこに行く理由に「人」もあるよね、っていう話

こんにちは

前回はKURAMOCO商品を設計するにあたり、どのようなことを意識しながら計画をしているのか、そのようなお話をさせていただきました。

▲よろしければご覧ください。


では早速ですが、
ある場所に行こうと思う理由って何があるでしょうか?
例えば、ご当地ならではの食べ物だったり、風景であったり、その場所でないと体験出来ない、何か、に惹かれるので行く動機は人それぞれだと思います。

ボクは、郡上八幡のように一度も行ったことがない場所は、知りたい、が行く動機、飛騨高山のように、学びたい、が理由になることもありますが、それらとは別にもう一つ、「人」です。
「人」に会いに行く、というのがその場所に行く理由になることがあります。
仕事の打ち合わせで人に会う、とはちょっと違います。

その理由で訪れる場所が奈良井宿という宿場町です。
今回は行った場所で「人」と触れ合った体験が、またそこに行こうと思える理由になるよね、っていうお話しをしていこうと思います。

それではどうぞ

■奈良井宿っていう宿場町

長野県塩尻市に奈良井宿という中山道の宿場があります。数年前に訪れたときから良く行く場所の一つ。
(※コロナ禍になってからは状況を確認しながら)


奈良井宿とは▼

旧中山道の奈良井宿は、鳥居峠上り口にある鎮神社を京都側の端に、奈良井川沿いを緩やかに下りつつ約1kmにわたって町並みを形成する、日本最長の宿場です。 中山道木曽路十一宿のうち、北から2番目の難所:鳥居峠を控えた宿場町。
かつては街道を行き交う旅人で栄えました。その様は「奈良井千軒」と謳われ木曽路一番の賑わいでした。奈良井宿は鳥居峠の上り口の鎮神社を京都側の入口とし、奈良井川に沿って約1kmの中山道沿いに町並みが形成されています。旅籠の軒灯、千本格子など江戸時代の面影を色濃く残しています。時代を超えた風格が感じられます。 
奈良井宿観光協会HPより抜粋

ボクの中では宿場町は、現代の主要都市の駅が実際の町として成り立っているイメージです。
ある場所へ向かう人達が行き交い、お店(ショッピングストリートのような)があって、宿もあり(駅直結ホテル的な)、手続きをする部署(窓口)などもあって、今の大きな駅に見られる機能宿場の機能はだいたい同じじゃないかなって思います。

伝わりますかね?

格子
水場

初めての時はやはり、知りたい、学びたい、が理由でした。
その場に行ってみると蛇行した道に伝統的な町家が奥へ続き、とちゅう途中には水場があり、千本格子が作る通りの光景が宿場町らしさを感じます。
さらに豊かな自然に囲まれたのがわかる山々の姿や時折吹くちょっとひんやりした風に標高の高さを知ります。

■だから行く

特に建具(しとみ戸)を商店用に応用したミセ造りという仕組みを取り入れた町家建築がとても面白く、その造りを実際に見たくて奈良井宿に足を運んでみた、というのが大きな理由です。 

※ミセ造りは地域によって名称、造り、使用方法は異なりますが主に商家の表通りに面したトビラ(時には縁台)を開閉すると建物の一部が開放されてその時々の行事ごとに合わせ使用し、また閉じると雨戸の役目をしている、という町家で見られる伝統的な造りの一つ。

その造りを実際に見れるのは旧櫛問屋の町家で国指定重要文化財「中村邸」です。

スケッチメモ

中に入ると何よりも先に、ミセ造りのある場所を舐めるように見ているもんですから、係の女性の方も不思議そうに話しかけてきました。

傍目から見たら何者だ?って感じだったんでしょうね。

その係の方がこの建具の造り、仕組みを丁寧に説明してくれて実際に開けたり、外したりしながら教えてくれました。嬉しかった。

雑談を交えて話していると、
「どこからいらしたんですか?」

ボク「埼玉県からです」

係の人「あらあら、わざわざ遠くからありがとうございます。でしたら、こちらも見てって」

実はまだ隠されていた家のカラクリを教えてもらって、さらに話が盛り上がる。(階段を仕切れる隠しトビラとか)

実演してくれた

そんなこんな話していると
たまたま立ち寄った地元の方も加わって、他愛もない世間話しから奈良井宿という場所のことまで。


係の人「ぜひ今度は七夕においでくださいね、
あ、あと寒いけど冬の行灯の灯りも素敵よ、
ねぇ、〇〇さん。」


地元の人「そうそう、町の雰囲気が変わるからねぇ。」

係の人「いつ来てもその時の良さがあるから、お待ちしていますね。」

ボク「ありがとうございます!」

このなんでもなさそうなやり取り、けれど他からやってきた人を受け入れてくれる優しい言葉と人柄に触れると気持ちが温かくなったのを覚えています。

シンプルに、人の優しさに感動しちゃった、です。

初めていく時って、どんなところだろうと期待もありつつどこか不安もあったりしますよね。
なので、現地の人から掛けられた言葉一つ一つが心に染みて、そうした心配事が一気に晴れたような感じにさせてくれます。

そこから、またここへ行こう、またあの人に会いに行こう、という気持ち(行く動機)に繋がっていくと思います。

奈良井宿は一年通じて、行事がある毎に表通り沿いに装飾が加わり普段とは違う装いになって、さらに周囲の自然と調和して四季折々の表情が加わるらしく、素敵そうです。(いや、間違いなくキレイなはず)

地域の風習が残っていて、その時その瞬間を観光目的だけではない地域の文化を大切にしていく視点もしっかり有ることが場の深みを作っていると思います。

そしてここに訪れた人を受け入れてくれる人柄にも宿場文化を感じます。

夏場の風景

また行きますね。

ということで、今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。

それではまた。

※追記
奈良井宿を歩ってみた動画を作ってみました。
日々の合間にのぞいてみてください▼


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