■読書感想:アフターデジタル2 22-2-12

アフターデジタル2 UXと自由 著:藤井 保文

https://www.amazon.co.jp/dp/4296106317

●感想

大変勉強になりました。

とにかく面白くドンドン読み進められました。

赤羽さんがいつもおっしゃっておられる

「DXは経営者主体の事業構造改革」

これらの意味と関連がよく分かった気がします。

●印象的だったこと

このままでは、メーカーはただの「下請け」に変わってしまう。

それは「決済プラットフォーマー」がお客様との接点をあらゆる場面で持ち、それをつなげ、お客さんの要望、その要望またはその先こうなるだろうという未来や社会をどの業種よりも先に察知されてしまう。

そうなると、顧客との接点のない・少ないメーカーはお客様からの要望を認知できず(もしくは圧倒的に遅く)、「決済プラットフォーマー」から理想を実現する手段の実現だけを依頼され、ただそれを作るだけになってしまう。

今までは優れた技術先行でお客さんに購入いただいてかもしれないが、今までとは違うことろは圧倒的に技術革新が早いこと、また、顧客のニーズが圧倒的に速く広く正確にとれるようになったこと。

つまり、技術先行で商品を出したところで、お客様のニーズに合わなければ、すぐに異なる技術でそのニーズをカバーしたものが出てきてしまう。そのためには、先にそのニーズを取らえた上で商品を投入しないと間に合わない。

そういうスピード感になっている。

そのためには、メーカーやこれまでお客様との接点を持ちにくかった企業もいかにしてお客様と接点を持つか?その接点でお客様にどんなメリットを提供できるか?持った接点から何を得るか?そこから、主事業でどんな価値を出すか、どんな新事業で価値を出すか?そして新たな価値で、さらにお客様にどんな生活・社会を提供、作っていくのか?このループをどう作るか?

もっとお客さんと関わり、知り、知ってもらい、もっとファンになってもらい、さらにもっと知り、もっと製品・サービスを良くして・・・というループこれを作っていく。

こういうお客さんにニーズを知る。またどんな価値・幸せな社会を企業が提供しようとしているか?ということを考えなければいけないということがよく分かった。

それは決済プラットフォームはじめデジタルで、お客さんの行動が簡単に正確に広く分かるようなったため。

そのため、それらを知ろうとしないと、上記の通り時代(お客さんニーズ)に置き去りにされてしまう。

しかし、難しいのが、どんな情報を得るか。むやみにデータだけをとれば役に立つか?といえばそうでもない。

大事なことは、何を実現したいから何のデータを取るか。

本書には繰り返しそれが書かれていた。

データが取れるようになったからと言って、そのデータでニーズにこたえられる商品・サービスができるわけではない。

何がしたいか?が重要。

前述の通り、この何をしたいか?は、世間にどういうメリットを自社が提供するか?ということになる。

そのため、一社員ができることではなく、社長が意思を明確にして実行しないとただ「データ集めて来て、こんなん出ましたけど・・・」にしかならない。

上記の通り、データ取りからサービスまでは一貫しているので、この社長の意思・会社の意思が社員一人一人まで根付いていないと、出来ることが多すぎるがゆえにぶれてしまう。

ぶれてしまうと、一貫しているので、破綻する。

だからDXは経営者主導でないと成立しないし、小手先のデジタル導入(手作業をAIで置き換えましたとか)では本当のDXではなく、アフターデジタルの時代では価値を持たない。

DXの全体像、経営との関わり、今の顧客とのかかわり方、「お客さんが泣いて喜ぶ」をどうやって察知するか。どういうスピード感か、全体感か。大変よくわかりました。

私みたいに「DXは経営者主体の構造改革」って何??という方は、この本は大変におススメです。

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