見出し画像

フェスを通した学びのアップデート - GOOD COFFEE FESTを振り返って

全国から個性豊かなコーヒーショップが一堂に会する「コーヒーフェスティバル」が人々を魅了しています。2024年3月8日から14日にかけて福岡の博多阪急で開催された「GOOD COFFEE FEST」もその一つ。今回、私たちKurasu・Kiguチームもこのイベントに参加しました。

コーヒーコミュニティが集うこの刺激的なイベントに、バリスタとして参加したのはRisaさん。この記事ではイベントを振り返りつつ、彼女が得た学びについて伺いました。

Risaさん、おかえりなさい!


早朝のインタビューに対応してくれたRisaさん。待ち合わせは Kurasu Ebisugawa近くの「SCHOOL BUS COFFEE SHOP」

—— ひとまずイベントお疲れ様でした。Risaさんはいろんな場所に行くのが好きなタイプですよね?

アクティブな性格だと思いますが、イベントが終わるたびに「今年は大変だったな~」と感じることは多々あります。出店は本当に体力を消耗しますから。

でも、イベントって独特の中毒性があるんですよね。お客様やロースターの方々と交流できる機会はそれほど多くないですし、出店するととても刺激的な経験になります。

外の世界に目をひらくこと

——独特の中毒性、刺激的な学びのアドレナリンみたいなものでしょうか。出店を通して得た感想や気づきはありますか?

毎回のイベントで「外へ目を向けることの重要性」に気づかされますね。これはどの業界、どの仕事においても当てはまると思います。

調べた情報と実際に体験する情報では、質が大きく異なります。コーヒー豆、器具、ショップ運営の際に重視するポリシーやフィロソフィー……それらを単なる情報として知るだけでなく、その文脈ごと直接体感できるのは、イベントに参加して現場にいる者だけの特権だと感じています。シンプルにいうならば「雰囲気」とか「空気感」がそこにあるんですよね。

2023年 TOKYO GOOD COFFEE FESTIVAL 出店の様子。この日は京都スタンドのバリスタ Amiriが同行(右)

また、イベントに出店することは「お店の顔を見せる」ことを意味するので、オーナーさん自らが出店することが多いです。焙煎も農園訪問もしている経験豊かなオーナーさんたちと話すことで、純粋にコーヒーそのものや、コーヒーに関する話題に深く触れられるのもイベントの魅力です

コミュニケーションから得られる深い学び

——なるほど、日々の現場から一歩離れて、改めてコーヒーについて話し合うこと、本当に貴重な経験ですね。イベントを経て、普段の業務についても違った視点が得られましたか?

「焙煎チームとの密接な連携」を重視したいと改めて思いました。イベントに出ると、自分たちの豆について質問されることも多いし、質問することも多いです。そうした場で、豆への愛情をきちんと伝えるための「引き出し」が試されます

イベント出店でよく使用する「April」ドリッパー

例えばKurasuで〈Green Pastures〉さんから購入した〈Rwanda Ruli Honey〉という豆があります。イベントでは、この豆を〈Green Pastures〉さんと共同で買い付けている〈ONIBUS COFFEE〉さんにもお会いしました。

彼らは実際に農園にも足を運ばれているので、コーヒー農園の話を聞くこともできます。手ざわりのあるエピソードを知る過程で、豆に対する愛情が育まれる。この体験の有無が、抽出する際の味にも影響すると思います。

Kurasuでは現在も、社内勉強会を通じて焙煎チームとのコミュニケーションを図っていますが、イベントを通して改めて、この勉強会をもっと盛り上げていきたいと感じました。

イベント後は他のロースターさんと食事に行くことも多い。この中で生まれるコーヒートークが貴重な学びにつながる。

抽出や焙煎だけでなく、精製所や農園の環境についても、現地を訪れることが難しいからこそ、経験者からの話を聞ける機会は貴重です。農園についての知識は、バリスタが豆をプレゼンテーションする際に持つべき重要な視点となります。イベントはコミュニケーションを通じて新たな知識を無限に吸収する場ともなります。

——すぐにKurasuの現場に活かしたいことは何かありましたか?

「カッピングの重要性」を特に強調したいですね。味の正解がわからないと適切な抽出は難しい。今回の「GOOD COFFEEE FEST」では、イベントの朝一番に、いろんなコーヒーショップさんがそれぞれキャリブレーションしたベストなコーヒーを他の方と飲みながら意見交換する風景が印象深く記憶に残っています。

カッピングについては、さまざまなロースターさんに考え方を伺いましたが、決して「難しい」と捉える必要はないと改めて感じました。「満点ではなく合格点を目指す」という考え方は重要です(もちろん「満点」の状態を知っておくことは必要ですが)。

簡単に言えば、カッピングで感じた味以上に美味しいコーヒーを抽出できれば、それは合格であり、良い結果と見るべきです。あまり粗探しに近いネガティブな視点を持たないことも大切だと思っています。

最近、バリスタのみんなに会うたびに、カッピングをしようと誘うようにしているんですよ(笑)

失敗から学び、行動を起こしてチャンスを掴む

——Risaさんがイベント出店を始めたのはいつですか?

Kurasuに入社してすぐに静岡での「GOOD COFFEE FEST」に参加し、そのあと「ENJOY COFFEE TIME」のサポートをしましたね。2回目の「ENJOY COFFEE TIME」では準備ミスや忘れ物など、恥ずかしながら失敗談も多く(笑)

最初は気落ちしましたが「失敗から学び、行動を起こさなければ何も変わらない」と気づき、再び博多での「GOOD COFFEE FEST」に挑戦し、以降は様々なイベントでリードできるようになりました。

GOOD COFFEE FEST 中のスナップ。 KiguのShinさん(左)とRisaさん(右)

——失敗を乗り越えて、自分からチャンスを生み出していったんですね。

失敗は辛いけど、イベントを通して多くを学び成長できました。このチャレンジができることも、現場を守ってくれたバリスタチームのおかげです。だからこそ、イベントを通じて得られる「外を見る機会」をチーム全員で共有し、さらに外へとみんなを連れていけるチャンスをたくさん作り出したいと考えています。

——それは最高ですね。最後になりますが、これからやりたいこと、ありますか?

やっぱり「雰囲気」と「空気感」はその場でしか経験できないもの。これから一人ずつ、バリスタのみんなをイベントに巻き込んでいきたいです!

雨にも負けずコーヒーを淹れた「SENDAI COFFEE FES」

もっと具体的には、イベントを通して社内外にわたる関係人口を拡大することを目指したいです。社内では、バリスタたちがイベントを通じて新たな刺激を受け、成長の機会を持てるようにしたいですし、社外では、イベントを単なるコーヒー提供の場としてではなく、Kurasuが追求するブランドの理念をお客様やロースターの方々と共有する機会にしたい。

阪急うめだで開催された「April」のイベント。ブリューワーズカップのチャンピオン、Patrikの隣で抽出する空気感はその場のバリスタしか味わえないだろう。

個人的には、海外でのイベント開催も想像してみたりします。海外で開催されるイベントにKurasuが招待されるようになることはもちろん、海外店舗も多いKurasuだからこそ、自らイベントを主催することもできるんじゃないかなと可能性を感じています。

それに向けてできることは、日々のコミュニケーションを重視し、チャンスが訪れた際にはそれを逃さずに掴むという至ってシンプルなところだと思いますね。最短で最速に実現するならば、2年ぐらいで実現できるのではないでしょうか。(笑)

——バリスタもみんな「スタートアップ」の意識で動いているのが、Kurasuらしくて素晴らしいですね。お忙しいところ、インタビュー対応ありがとうございました!

今回のGOOD COFFEE FESTに同行したKiguのNaruoさんとShinさん。イベントはハードワークですが、その分すばらしい達成感に満ちています。本当にお疲れ様でした!

【お知らせ】新しいメンバーを募集しています

Kurasuは現在、事業拡大にともなって採用活動を強化しています。私たちのビジョンに共感してくださる方、より良いコーヒーの未来を共につくってくださる方を募集しています。まずはカジュアルにお話しましょう。Wantedlyからお気軽にご応募ください!

この記事が参加している募集

仕事について話そう