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民主主義×資本主義 のいいところを二つだけあげる話

某SNSでの話題を元に、一度だけちょっと深く考察するだけの文章です。
今回は、「日本の制度分かりにくすぎ。一度、日本の法律を一回リセットして俺に作らせろ」という内容のポストについて、思うところを語ります。
感情論です。しかも、BUBKAでももう少しましな記事書くだろっていう、知性のない、汚泥のような稿ですので、皆さんは読まない方がいいです。

さて。
日本の制度が分かりにくい、というお話ですが、制度なり法律なりってのは、どこもかしこも分かりにくいものです。
なぜかというと、わかりやすいとあくどい奴らにつけこまれるからです。
実際つけこまれた結果、屋上屋を架す勢いで注釈的な制度や法が乱立し、結果違法建築のような法律の間を、法学者しか理解できない発想で、専門家より厳しい基準で司法が運用している、といったあんばいです。
これを解体してわかりやすく再構成したところで、同じようにあくどい奴らに虚を突かれ、同じように分かりにくい制度と注釈が増える。
ゆえにこれはきりがない話となります。

ことほどさように、人間というのは不埒なものです。
この不埒な人間たちを束ね、どうにかこうにか働かせ、労働から得る社会内の信用を創造する。その最も効率的な方法を、長年人間は模索してまいりました。
結果として生まれたのが、独裁制(王制・軍事制・君主制含む)、共和制、貴族制、そして民主制です。
チャーチルの有名な言葉に、「民主政治は最悪の政治形態だ。……他に試みられてきたあらゆる政治形態を除くならば」というものがありますが。
とかく、思い通りにならないというか、イヤなやつばかりが跳梁跋扈するというか、複雑な思いを抱いている人たちが多いのではないでしょうか。

また。
経済に目を向けますと、これは大枠で資本主義と社会主義に大別できるでしょう。もっとあるかも知れません。すみません無学でして。
社会主義というのはいわば、国家が資本の管理をし、分配方式を決めるという世界なので、政治家がその国の経済を握るという意味で、社会主義の経済体制を採る国はもれなく独裁制でなければなりません。
(※もちろん、悪意があって言ってます。悪意マシマシです)

しかしですね。
どんな天才がどんな政治形態、経済体制を発想し構築し運用したとしても。
善人ばかりがあふれ悪人がのさばらない完全な純粋培養社会の醸成は、不可能なのです。
なぜかというと、前回お話したとおり、人間は性利己の生物だからです。
利己心は善にも悪にも触れることがあり、この善も悪も利己から出発した人間のある意味本質でありまして、これらを「根絶やし」にするにはもはや人間自体をこの世から根絶やしにするしかありません。

また、これも前回お話しましたように、悪を全て根絶やしにすべぇ、とばかりに社会主義などという人間の本質たる利己心を無視して利他百パーセントの経済体制など考えついてしまった暁には、人間性が崩壊すること必定。社会からの利他の要求は最小限にとどめるべき、という原則から逸脱していることでも明らかな通り、失敗は目に見えている、と、こうなります。

社会から個人へ、利他の請求を最小限にしつつ、できるだけ社会が円滑に運営出来るような。そんな政治形態・経済体制をどうにか考えよう、というとき。
私は、とある政治家のスローガンを思い出すのです。

「最小不幸社会」

一国の首相が発したスローガンにしては、ずいぶんペシミスティックというか、心がまったく奮い立たない最悪なお題目として有名になりました。
菅直人という政治家、あるいは宰相を、私自身は欠片ほども認めてはおりませんが、しかし、この言葉を残したというだけで彼の仕事はなかば、完了したのではないかと思うほど。
実はこれから言いたいことに、合致しているスローガンなんです。これ。

社会における不幸の最小化は、どうやってなされるか?
これは、巷間において係争の種をどれだけ減らせるか、という問いに同じであると思います。
社会からの利他の請求を最小限にする、という条件を付加するならば、経済体制は自由を旨とした構造でなければなりません。いわば自由経済。
経済を自由化した状態で、なおかつ係争が最小化する。
悩ましいですが、つまるところ、こうなることが望ましいのではないでしょうか。

「間違った奴から勝手に崩壊していく社会」

そう。
プラスに目を向ける(皆が平等に暮らせる・人々が笑顔で生活できる・幸福を皆で実感できる、などという絵空事社会)のではなく、マイナスを潰す(失敗した奴を、悪を、間違った奴を社会的に封印再度)形で実現する。
これこそが、理想的政治形態・経済体制を生む際に必要な発想であるべきなのです。
なぜなら。
薬に例えましょう。
これは効きますよ! と宣伝されてる薬を飲み続けて、良くなるどころかむしろ体に不調が表れ、前より悪くなったとき。
普通ならこの薬は売れなくなるはずなのですが、売った側はこんなことを言うのです。
「これは、好転反応ですから、問題ありません!」
(※好転反応とは、漢方などの服用の際、薬自体は病原に効いているが、それゆえ一時的に体調が悪くなることを言います)

いわばプラスに目を向けっぱなしだと、いかようにも言い逃げ出来るため、あほがいつまでもトップにのさばったまま、という状態を阻止できません。
あほのトップにはきちんと消えてもらわないといけないのです。

と、いうわけで、
資本主義×民主主義の、いいところ、その一つ目です。

カネがなくなったら、トップは転がり落ちる。


カネとはなんでしょうか。
カネより大事なものはないなんて貧しい人間の妄想だろとか、カネなど道具にすぎないとか、カネに左右されるような人生などごめんだ、とか。
なんか汚いもののように言われていますが。

お金の正体を正確に表すと、これは、「価値の数値化」であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
ドラゴンボールに例えるとあのちゃんあたりは理解できないようなので、あのちゃん以外の人に向けて申し上げますと、カネってのは「スカウターで測定した戦闘力」です。
その人の戦闘力の数値化であります。戦闘力と言っても、経済における、それですが。

つまり、カネが生まれる……価値が発生し、増殖する……状態を築ければ、その施策は成功であるし、逆ならば失敗であります。明確です。
そして、どんなにごり押しで上へのぼったとしても、カネがつきればその人の命運もきちんと尽きます。
どんなに影のフィクサーと呼ばれるような人でも。いやむしろ影のフィクサーこそカネが尽きたらただの日陰者です。わかりやすい。

この、「失敗した・間違った奴の命運が尽きるシステム」が、きちんと機能している。
それだけで、資本主義×民主主義の価値は「映え」ている。そういって差し支えないでしょう。
(これが、資本主義×専制政治だったとしたら、カネが尽きても暴力で経済支配できちゃいますからね。中国を見よ。目ぇ見開いて見よ。ほうら。ごらん。あれがカネが尽きても倒れない酋長が国を統べる姿だよ……ぼうや)

ただし。
中国を見て分かるかとは思いますが、これ、崩壊するまでに狂乱の時代、つまりバブルを経ていて、その間この世に神はおらんのか、と言いたくなるくらいの醜悪な成金趣味を見せられるので、不快な状態がない、とは言いませんよ。もちろん。あくまで、盛者必衰。それがきちんと作用していた、というだけのことです。

そして、資本主義×民主主義のいいところ。その2。

何を決めるにも、時間とカネがかかる。


悪いところでもありますが、これがあるから民主主義は辞められないのですよ。
仮にも、不幸に全国民が共鳴したなら、ものすごい勢いで社会が変わりますからね。アルゼンチン見ました? ものすげえ奴が大統領になったりします。アメリカでも、トランプがもう一度大統領になる勢いです。

ですが、民主主義下で猛烈にことが決まる時ってのは、大抵民主主義特有の病理が表面化したときでもありますな。これらはまぁ、いずれ失敗にカウントされる出来事でしょう。
ですが。

失敗が試せる。世の中の不満が顕在化したら、政治がこんなぐあいにむっちゃくちゃになるぞ、ということを「お試し」できる。そして、その責は国民自身が負う。
この、トライアンドエラーが出来ること。大切です。
日本も民主党だか民恥党だかに三年間も政権を任せてしまったりと、大失敗をしでかしましたが、その結果として政治の大切さに国民全員気づけたので良かったのです。気づけなかった人がいるって? え、立憲民主なんて支持してる人がいるんですか? そりゃまぁ、国民じゃn(以下割愛)

と、先に民主主義のバグをあげてしまいましたが、民主主義的に間違うと資本主義下では「カネが減る」というリアルな結果が出てしまいます。
なので、「あーこのやり方は失敗だったんだな」と、国民が納得できるわけです。これって大切なことですよ。

さて。
話を戻して。

民衆の大多数に共鳴しなければ、国の制度とか法律とか、あるいは市区町村令とか。
こういったものは、なかなか変わりません。
政治家を動かし、その意見が多数決を経て整備されるまでには時間がかかりますし。政治家を動かすにはお金もかかります。
しかし。
だからいいのです。
無駄なカネを払ってそういうことをしよう、というあくどい人間が、これで減るわけですから。
あくどい人間が政治を握ったらおしまいだろう、ですか?
そんな奴を選んだ国民が悪い。民主主義です。イヤなら次落としましょう。

仮に、落ちないとしたら。
それは、「あくどい奴だ」という、あなた自身の意見が間違っていて、世の大多数はその人は国に必要な人間だと考えているってことです。社会に不満があるならまず自分が変われ。そうでなければ耳と口を塞いで孤独に生きろ。……誰だったかな。攻殻機動隊の草薙少佐の言葉だったかな?
そういうことです。

ことほどさように。
資本主義×民主主義のタッグは、間違った奴を崩壊させ、間違うにも時間とお金がかかる、という点で最高のタッグだ、ということです。

ですが。
おかげで金の亡者があふれ、自分のことしか考えない奴が、自分のことしか考えないような生活をして、正直者が馬鹿を見ている。
不快だ。こんな社会はおかしい。
そう、誰もが思います。

残念ながら。
人間とは本来、利己的な生き物なのです。なんども言っているように。
利己的な生き物が利己的に生きているのが、いわゆる「社会からの利他請求が最小の状態」なのです。
それが、自然です。
これらを誅滅し、よい人間ばかりが生きる社会を作りたい!

そういう、「プラスのこと」に目を向けた瞬間。

大抵そこには、上記で述べたような「それ以上の地獄」が待っています。
間違った為政者に居座られる地獄。
それを経験したくなければ、「最小不幸社会」に目をつぶり、口をふさぎ……いや、やめましょう。
この言い方は、あまりにも不快だ……。


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