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はじめまして。なのに居心地の良い場づくり

1月27日土曜日
カレーキャラバンに参加するため、赤羽岩淵へと向かった。

赤羽と聞いて「え、なんか高価そうなところ?」と完全に赤坂と勘違いしてた私。行ってみると住宅街で一軒家はもちろん、長屋もあったり、とむしろ庶民的な感じでほっこりした。

そんな住宅街の一角、というか道を占拠している人たちがいた。

カレーキャラバン。
カレーはカレーライス、キャラバンとはらくだに荷物を積んで歩く一団のことである。もちろん、ここは日本の住宅街なのでらくだはいない。HPには以下のように説明されている。

全国各地のまちへ出かけ、その場所で調達した食材と、その場所に居合わせた人びとの知恵をまぜあわせ、その日、その場かぎりのカレーをつくり、みんなで食べるプロジェクトです。

福島に行ったり香川に行ったり。キャラバンの行き先は東京都内だけでなく日本全国だ。

カレーキャラバンの存在は3年前から知っていたが他の予定が入っていたり、金欠で遠征に行けなかったり、と「行きたい!」と思っていても行けない片思い状態だった。それが今回やっと参加できた。

カレーキャラバンは加藤文俊さん、江口亜維子さんの2人がメインで行っている。加藤先生は慶應大学SFCキャンパスの教授であり、私が卒業した研究室の先生と仲が良く、そこから私はカレーキャラバンを知った。

カレーキャラバンはイベントでもなければ、配給でもない。加藤先生と江口さんがまちに出かけてそのまちの人たちとカレーを作って食べる。この日は地域の子どもたちや通りすがりの人、カレーキャラバンをfacebookで見て来た人などいろんな人が来ていた。

はじめましての人が多いなか、カレーをつくる。聞いてはいたが、はじめましての人がいる場で少しドキドキしていた。

イベントではないから自己紹介をするわけでもない。はじめましてだから、お互い少しぎこちない。それでも真ん中にカレーがあることで「火加減強めますか?」「いい匂いしてきましたね〜」と自然と会話が生まれた。

会話が途絶えてもカレーがあるから嫌な感じはしない。そして「もうかき混ぜますか?」「さっきよりも玉ねぎの形がなくなりましたね」とカレーを中心にまた会話が生まれていく。その感覚ははじめましてのぎこちなさを残しながらも、家族との団欒にいるようなものだった。

この日は子どもたちが多かったので、スパイスも辛味のあるものは少なめ。トマト缶と玉ねぎと鶏肉をベースに作られた。そして、そこに『まちのもの』を加える。この日は味噌だった。

「カレーに味噌。大丈夫‥?」と思ったのは私だけではないらしく、その場の空気を察知した江口さんが「私を信じて!」と言いながらたっぷりと入れた。

そんな言葉に周りからは緩やかな笑いが起きた。一通り味付けも終わり、あとは煮込むだけ。味見もみんな楽しそうだった。

こうして出来上がったカレーに名前をつける。まちの食材でまちの人とまちの一角でつくったカレー。

「いわぶちコトヨロカレー」
2018年最初のカレーキャラバン。今回の会場コトイロと今年もよろしくの意味を合わせて。カレーの完成と名前の発表をすると周りからは拍手が起きた。

カレーを食べる合間もそれぞれ会話をしていた。それでもまだ雪が残っているため寒い。食べ終わると「じゃあ、帰ります」とそれぞれあっさり帰っていった。名前も知らないまま、ただ一緒にカレーを共有した。

カレーをつくる。
ただそれだけなのにはじめまして同士でも気まずくならなず、一緒にいることが自然にできる。カレーキャラバンは素敵なプロジェクトだった。

次のカレーキャラバンは2/4、横浜のBUKATSUDO!2/3〜2/5で行われる加藤研究室のフィールドワーク展の一角で行うそう。ぜひ行ってみてくださーい!

#カレーキャラバン #カレー #プロジェクト #まち #コミュニケーション #コンテンツ会議 #赤羽 #場づくり

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