見出し画像

☕️【自己紹介|心得帖SS】テキストファイル・テンプレート☕️

皆さまはじめまして、モノづくりの会社で働いている黒珈(くろこ)と申します。このnoteでは、営業スキルの向上や自分磨きなど、現在の自分から更なるステージアップを目指して取り組んでいる【心得帖】等をご紹介いたします。カタい文章が苦手なので、ショートストーリー(SS)形式にて様々な登場人物達が黒珈の代わりにメッセージをお届けしていく予定です。
それでは、本編をお楽しみください🐈‍⬛☕️



「はぁ…」
京田辺一登がPCの電源を落とそうとマウスを手にしたとき、向かいの机から部下の深いため息が聞こえてきた。

手を止めてそちらを見ると、額に縦線が見えるほど暗い顔をした20代後半位の女性が大きなマグカップを抱えて肩を落としている。
「四条畷さん、何かあったの?」
日中彼女がバタバタしている時に声を掛けたが「あっ、大丈夫です(汗)」との反応だったので、気にはなったが会議の時間が迫っていたのでそのまま席を外してしまったのだ。

「課長…今日は自分の仕事を熟すスピードの遅さにホント嫌になりました」
京田辺の言葉に促されて、四条畷紗季はポツリポツリと話し始めた。
どうやら複数のトラブルが重なってしまい、対応しているうちに本社への定時報告を失念。先ほど本社スタッフからこっぴどく怒られたとのことだった。

「ちゃんとタスクは整理していたんです。でもつい目の前の対応に追われてしまって」
ここまで黙って話を聞いていた京田辺は、ふむと頷くと彼女に自分のPC画面を見せた。
「四条畷さんは仕事が遅いことを嘆くのではなく、要領良くやる方法を覚えたらどうかな?」
「えっ?」

「例えば社内メールはある程度テンプレート化できるから、あらかじめテキストファイルで台本を作っておくんだ」
京田辺のPCデスクトップにある「会議」→「台本」フォルダを開くと数多くのテキストファイルが保存されていた。
「テキストファイルだとコピー&ペーストが容易にできるからね。私の同僚にはWordを使ったりスマホからメールを社内メールに飛ばしたりしている人もいるから、其々自分に合ったやり方にすれば良いと思うよ」
京田辺の説明を受けて、四条畷の表情に明るさが戻って来た。
「凄い、これなら私でもできるかも。早速やってみます!」
キーボードをカタカタ鳴らしている彼女に京田辺は追加のアドバイスを送った。
「ファイルが多くなると整理が大変になるから、属性毎にフォルダを分けたり、タイトルを工夫しても良いよ」

「タイトル、ですか?」
「ああ、ファイル名のアタマに【報告】のような強調カッコを付けたり、230401のような日付をタイトルに含めると便利だよ。但しあまりにタイトルが長いと後ろの方がファイル表示の際見えなくなるので、大事な箇所は出来るだけ前に持って来ようね」

「なるほど、将来の自分に対する優しい配慮ですね」
生真面目に面白いことを言う四条畷に京田辺はクスリと笑った。
「四条畷さんはいつも丁寧な仕事をしているから、要領を覚えたら更にパワーアップしてレア度が上がりそうだね」
「わたしはポ●モンじゃないですよー」
ようやく普段の彼女が戻ってきたところで、PCの電源が落ちたのを見届けた京田辺は鞄を肩に掛けた。

「それじゃ、お先に」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?