村上小イラスト_イヨボヤ会館

鮭の回帰見つけた武平治を思う/食べ尽くす食文化に敬服新潟県/村上市

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 鮭は生まれた川に帰って産卵する。今では当たり前の知識だが、江戸時代までは当たり前ではなかった。なんとなくそうではないか、という程度の話だった。そんな中、鮭の産卵場所を保護すれば戻ってくる鮭が増えるのではないか、という現代の人工孵化・放流につながる発想を得て、日本で初めて実行に移したのが村上藩の武士、青砥武平治だった。
 村上市内を流れる三面(みおもて)川には鮭が遡上し、古代から朝廷に献上されるなど漁も盛んだった。ところが乱獲のせいか江戸時代中頃になると漁獲が激減し、漁獲高にかけて数百両もあった藩の税収もほとんどなくなった。
 そこで武平治は、三面川の一部を区切って「種川」と称し、産卵しやすい工事も行なってここを禁漁区として、鮭の回帰を増やすことを目論んだ。工事は30年もかかったが、この結果鮭の遡上は急激に増え、多い年では税収が

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