拝啓 「聞いていない」あなたへ
前略
はじめまして。
突然のお手紙、大変申し訳ございません。
あなたが「聞いてない」とご連絡したと伺い、取急ぎの走り書きをさせていただきました。どうかお許しください。
聞いてなかったですよね、そのこと。
ついつい、大きな声で相手にお伝えしたくなるのも、よくわかります。その案件についてアドバイスをしたことがあったり、話題に上げたり、ちょっと気にかけたり、なんなら、噂話でいろんな人が話しているのを小耳に挟んだりしていたんですよね。
それにもかかわらず、自分は蚊帳の外で、関係者からヒトコトのご報告もないまま決定されたり、報道されたり、他の人が知っていたりしたんですよね。
お気持ち、お察しいたします。
「え?アレ、そうなったの?聞いてないよ!!」
「え?なんで私に相談してくれないの?一声かけてくれたら、私のチカラや人脈で解決できそうなこと、たくさんあるのに!!!」
おっしゃる通りで、私もあなたと同様の感情を経験したことがあります。
ただここで、あなたに、とても大切なことをお伝えしなくてはなりません。
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「聞いてない」ということは
「お呼びでない」ということ
残念ながら、あなたが「聞いてない」のは誰もあなたに「言ってない」からなのです。すなわち「お呼びでない」からなんです。
それに気がついてから、私は「聞いてない!」と言うのはやめることにしました。見ず知らずの私の独白などご興味ないかと思いますが、どうかもう少しだけ、お付き合いください。
なぜ、言うのをやめることにしたのかというと、「ああ、結局、誰からもこの案件について教えてもらっていないこの人は、やっぱりお呼びでない人なんだな」ということを改めて関係者に伝えてしまうことになるからです。
大きな声で(公の場などで)「聞いてない」というなんて、もってのほかです。それを聞いた人たちは、みんな「まぁ、そうだろうね、、、誰も言ってなさそうだもんねぇ」と思うに至ります。
「いや、私が聞いていないのはおかしい!そんなはずはない!」
なるほど。そのお気持ちもよくわかります。
そのご自覚があるのであれば、一つ、ここはこうしたらいかがでしょう。
自分で聞きにいってください。
突然のお手紙に加えて、乱文乱筆、大変失礼いたしました。
昨今は情報が常にあふれており、通信手段も、狼煙の時代からずいぶん便利になりました。急激な変化に体調を崩される方も多いと聞いております。
どうぞ、くれぐれもご自愛くださいませ。
かしこ
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