異世界の名のもとに!! ♯3
ボクと美鈴は暗闇に浮いていた。しかし浮いている、と言うよりは地面を踏んでいる、そんな感じがした。
「ここは、いったい…何処だ?」
「さぁ? でもここ、何か怖いです」
ううーん。謎が深まるばかり。転送されたのはものの、ボクと美鈴以外誰も居やしない。
「お兄ちゃん!何か見えましたよ」
美鈴が指差す方向に目を向けると。鳥居が見え、その先に神社があった。何でこんなところに…。ついでにホラー感が出てる。ま、たぶん入ってみないとわからないし、ここで突っ立っていても物語(エピソード)は、進まないからな。よし、行ってみるか!
「先日はすみませんでした」
「いえいえ」
ボク等は鳥居を潜って神社に入った。
ボクの登場をまるで待ってたかのように、畳に座っていた巫女さん?はボクの所へ駆けつけ謝罪してきた。ううーん、なんかこっちが悪者に思えてきた。
「そんな、気にしないで下さい」
「あなたは優しいのですね」
「そんなことはありませんよ」
苦笑いで返すしかなかった。褒められるのは慣れていないからな。しかしこの人は、ここに住んでいるのか。やっぱり神様なのか? どうしよう、頭がついてこれない。
「それで、私達はどうしてここに転送されたのでしょうか?」
ボクが頭を手で押さえて唸っていると、美鈴が巫女さん?に聞いていた。
「あなた達に少し加護と便利器具を渡そうと思いまして」
加護…。よくある、チート系の強化魔法みたいな?
「因にあなたは神様か巫女ですか?そして私達は死んだのですか?」
「そうですね。あの世界での存在を消しておかないと、後々困るので」
「…そうですか」
美鈴は少し残念そうにそう言った。
「そして、私は……まぁ、巫女だと思っていただければいいですよ」
「やはりそうでしたか。いやーそうなんじゃないかと思っていたんですよ」
「お兄ちゃん、巫女さんに対して嘘八百はいけないですねぇ」
と、美鈴はジト目で、ボクに言ってきた。
ん? おい待て妹よ。ボクは嘘などついておらんぞ。何故(なにゆえ)そんなことを言われなければならないんだとボクは美鈴の頭に手刀で軽く叩いた。
「イタタ、お兄ちゃん。そこまで叩かなくても……ウウッグスン」
軽く力抜いたはずなんだがなぁ。まぁ美鈴の事だ。ボクが心配するとそれに漬け込んでバカにしてくるからな。と、ボクは美鈴を見ていた。
「ふふ、仲がよろしいのですね」
「ははは…」
「それでは、私の独断と偏見で決めたボーナスから一つ選んでください」
ど、独断と偏見って…
そう言った巫女さんは物置小屋らしき所から紙を数枚取り出してきた。
「この中から御一つお選びください」
その紙には文字が書かれてあった。
一枚目は…電気器具
二枚目は…最強武器
三枚目は………読めない。
「これなんて書いてあるんですか?」
「あぁ、それは…無視しちゃってください」
「は、はぁ」
なんだろう気になるけどまぁいいか。
「じゃあこれで」
そう言うと、魔法陣が現れそこから箱が出てきた。
そしてその箱からボクの選んだ物が出てきた。
「では、これを」
渡されたのは 携帯機器等(主にスマホとノーパソ)。
「データ等は 以前使われていた物と同じ物を使っています」
マジか、やった! と、小さくガッツポーズした。
「有難うございます。データが引き継がれているのは歓喜です」
「大したことではありませんよ」
そのあと、背中に両手をあてられ、加護とやらを授かった。
そして巫女さんに見送られ、意識が遠退いた……。
ーーーボクと美鈴の異世界ライフが今始まるーーー
小説(物語)を書いている者です。