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気になる理科教育の課題とは?

最近、教育関連の記事がとても気になっています。私は一応理系だったこともありますが、理科教育の課題について書かれているこの記事はとても興味深いのでシェアします。

データサイエンスの理解などが全ての若者に求められる時代になった。理科教育が専門の中山迅・宮崎大学教授は、その土台部分の学習に欠落があると指摘する。

ちょっと不穏な感じがして、ぞわぞわしながら読むと、気になることがちらほらと書かれています。

理論と証拠に基づき物事を予測したり、制御したりすることの重要性が国レベルで認められるようになったことは喜ばしい。国民の高い科学的リテラシー(知識と能力)は国の発展や個人の的確な判断と行動を支える

最近、こうしたサイエンスリテラシーについての認知度が高まっているのは本当に嬉しいと思っています。上記にもあるように個人レベルでの的確な判断と行動を支える大切な考えるスキルだと思うからで、サイエンスリテラシーというスキルを多くの人が持ち、駆使できるようになると、国が発展するのだと私も思っています。

しかし、国際的な調査から少し気がかりな結果が報告されている。らしい…

小学校4年生の保護者の算数・数学と科学に対する姿勢を8つの質問から調べたところ、日本は否定的な回答が突出して多かった。
日本では親世代の18%が理数系の学びが大切であるとは考えておらず、それが国際的に見て極端であることにも気づいていない。
小学校の算数の成績を気にする保護者は多そうだが、それが子どもの将来生活にとって大切だと思っている人は案外少ない。
教科書に書いてあっても新事実の発見で学説が変わりうることは自然科学では当たり前であり、それこそが科学の発展の一部なのに、そのことを認めない(日本の)若者が無視できない割合でいることに驚かされる。

筆者はこれらの原因の一つに、「科学の本質」についての議論が日本では少ないと指摘しています。

確かに!!

私は理系出身なので、学部の授業、研究室配属、大学院進学などを通じて、呼吸するように肌身に沁み込む形で「科学の本質」を理解したのですが、これを先に知っておくと、また違う景色になっていただろうなと感じます。

科学の特徴には、
▽観察や実験から得られた証拠に基づいて真偽が決定される「実証性」
▽同じ条件で何度繰り返しても同じ結果が得られる「再現性」
▽定説とされる理論や法則も新しい発見があれば覆される可能性があり、「正しさ」は当面のものであるという「暫定性」
――などが含まれる。
大阪大学の岡本紗知准教授らが日本とカナダの生物の高校教科書を比較した研究によると、科学の暫定性についての日本の教科書の記述量はカナダの17分の1程度という。「科学とは何か」について正面から問いを立てたり、教えたりしないことが弱点になっていることが懸念される。


こうした科学的な考え方や姿勢は、これからの世界では本当に大切で、実験と学習における基礎だと思っています。

職務に「実験と学習」が許されているか否かが、現代では社会に一種の「階級」を作っている。実験と学習が不要な仕事は、今後ますますコンピューターによって置き換え可能な部分が増えてくる。状況にあわせた実験と学習の実践により、あらゆる人が社会的にも経済的にも尊敬を受けられるようにすべきである。

コロナ禍は科学的な知識・思考が私たち市民にとって必要であることを浮かび上がったわけですから、多くの人にとって科学的知識や思考法が広まるといいなと思っています。

#日経COMEMO #NIKKEI #理科教育 #課題 #サイエンスリテラシー #サイエンスの本質  

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