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[日記]仕事を辞めるまでの記録


今日を最後に、有給消化に入る。

いろいろと手続きがあるらしいけれど、勤務として職場に行くのはこれが最後だった。

これから書くことは私の個人的な記録。見る人によっては不愉快かもしれないけれど、残しておきたいと思ったのでここに記しておく。




1.辞めると決まるまでのこと


そこは、研修は勤務にカウントしない方針の職場で、なおかつ土曜に勤務があるところだった。
土曜勤務は交代制で隔週と謳っていたが、2ヶ月に1度はなぜか毎週のように続く土曜勤務。研修が日曜に入ると、もう休みはどこにもなかった。

そして疲れ切った心身で受けた上司との面談が引き金となって、職場で大泣きしてしまった。その日から、少しずついろいろなところに綻びが出始めた。

日曜の夜は眠れなくなった。眠ったら夢で上司に何か言われて、ひたすら謝っていた。あとは、車のブレーキがきかなくて、事故を起こす夢をみた。ここでも泣きながら謝っていた。怖かった。

なんでもない事で涙が出た。家でも公共の場でも。胃が痛くなることが増えた。

車で通勤すれば、「このままハンドルを切れば、電柱にぶつかって仕事に行かなくていいなあ」と毎朝考えた。いつも最終的に「痛いのはやだなあ」と思ったから実行せずに済んだ。

家族と口をききたくなかった。八つ当たりしないようにするのに精一杯で、会話に相槌だけ打ってひたすら黙り込んだ。

家族に聞いたところによれば、この頃は少しも笑わなかったらしい。自分ではよくわからない。

せっかく有給が貰えても、したいことが思いつかなかった。もともとよく外に出る人間でもないけれど。

休みの朝起きると、思い出すのは「明日は仕事に行かなきゃいけない」という一つの事実。たったそれだけで起きたくなくて、涙が出て、布団から出られなかった。

反面、胃が痛い以外は、体調が悪くなることはほとんど無かった。熱は出ない、嘔吐もしない。倒れもしない。めまいと耳鳴りは、あっても5秒で治るし、頭痛は薬でおさまる。生理も普通にくる。

身体が丈夫なのが恨めしかった。体調が悪くなれば有給が取れるのに、いつも周りの人の方が目に見えて具合が悪かった。

勤務時間外に処理しなければいけない仕事がどんどん溜まっていった。もちろん手当てはつかなかった。

勤めて1年で、退職することを決めた。

早すぎたのだろうか、と今でも思う。辛い部分ばかり味わって、私はあそこで仕事が楽しいと思えたことは、ほんのちょっぴりしかない。

続けていたら、何か違って感じたのだろうか。

そう思いつつも、もうあんな気持ちになりながら仕事に行きたくはなかった。

ただ仕事に行きたくないという思いだけの日々をこの先もずっと繰り返すだけだと思うとゾッとした。



2.辞めると決まったあとのこと


事情を話し、辞めると決まったとたんに、上司が急に優しくなった。ものの言い方まで穏やかになった。

本来シフト制の勤務を、私だけ無理のない時間で固定シフトにしてくれた。溜まった仕事をこなす時間をつくってくれた。私だけ研修を免除してくれた。

そうやって私を腫れ物扱いする上司に、

「やなヤツは最後までやなヤツでいればいいのに」

と思った。

これだけしてもらって、素直に感謝できない私は子どもだ。器の小さい人間だ。ひねくれ者だ。自覚はある。けど、この態度の変わりようはみていてすごくモヤモヤしていた。

最近気づいたのは、きっと私は

「辞めてやったよ、あんなとこ!!
あーー清々した!!!」

と思いたかったということだ。そのためには、誰から見ても明らかな悪者が必要だったのだ。

だって休みがないのはみんな同じはずなのに、もう何年もあそこで立派に勤めている人達がいる。それを理由にするのはひょっとしてちがうのではないか。

となると、上司を悪者にするのが手っ取り早い。

どうしても上司がこういう人で、しんどくてもう限界で、辞めたんだよねー。

そうやって言えば、転職活動には使えなくても、友達は聞いてくれる。

そんなところ辞めて当然だよ、正解だよ、だってひどすぎるもん、良かったね、病気とかになる前に辞められてさ……


ここでも小心者の真価が発揮されているのがよく分かる。私は仕事を辞めた理由を、他人に押し付けようとしているのだ。自分の体裁のために。

だからきっと、最後の最後で“良い人”になってしまった上司が腹立たしいのだ。

あんたが良い人だと、私がなんで辞めたのか分からなくなるじゃないか、私がただわがままで、何かを諦めて辞めたみたいじゃないか、あんたが最後まで悪者でいなきゃ話が成り立たないじゃないか

なんて 醜い。 拙い。 幼い。 弱い。

ここまで他人を理由にしないと気が済まないのか。自分で決めることくらいできないのか。情けない。なんで私はこんなにも1人で立てないのだろう。

ここでどうにか変わらなくてはならない。

辞めた事実は変わらなくても、辞めたことに対する考え方はこれから変えていける。


仕事は今日でやめたも同然。


この先は、一人で行くのだ。ああ怖くてたまらない。

私は働けるのだろうか。面談のときの上司の言葉が耳にこびりついて未だに剥がれない。

もし本当にその言葉通りだったらどうしよう。

この先なにもできなかったらどうしよう。

何にも満足できずに、全部が中途半端なままになってしまったらどうしよう。

それでもぜんぶ抱えて進むしかない。引きずってでも。

分かってる。分かっている。


だからこの言葉をお守りにしよう。


ーーーー今もまだ時おり
「ホントはどうすれば良かったのかな…」
ーーーーなんて問いが 痛みとともによぎるけど
.
ーーーーどっちにしたって もう
「こっちを選んで正解だった!!」って
思える様なエンディングを目指して
私たちは精いっぱい泳ぐしかないのだ…
.
したり顔の「運命」ってヤツに
クロールのふりをして
「グー」でパンチを
浴びせてやるその日迄……!!!

羽海野チカ 「3月のライオン」12巻より


#日記 #雑記 #独白 #記録 #仕事 #転職

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