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#525 使い方注意!?「PDCA」

2月10日付日経新聞9面「JALとトヨタのPDCA」という記事を読んで思ったことを、メモ。


1、どんな記事?

日経新聞本社コメンテーターの中山淳史さんが書かれているコラム「Deep Insight」に10日寄せられていた「JALとトヨタのPDCA」という記事です。

先日の羽田空港の衝突事故で乗客・乗員が無事に脱出できたことについてライバルであるANAの会長がたたえたこと、世界で最も失敗が許されない職場の一つである航空会社では、エラーを事故に結びつけないための独自のPDCAを絶えず磨き続けていることを紹介しています。

一方で他の業種では製造業を中心に不祥事が続いている、として、ダイハツ工業、豊田自動織機の件が紹介されている。中でも不正の背景として「受託体質」を挙げ、それは政府がまとめた「ものづくり白書」の18年版でもすでに指摘されていたとしている。

これはこれまで日本の製造業の強みとされていた、メーカーと下請けとの、いわゆる「すり合わせ」力の裏側として、下請け(受託)側の受動性の高さという弱みもあり、変革には足枷のリスクがあったのでは、とも指摘している。

その上で、トヨタグループ企業もPDCAは日常的に行なっていることを指摘した上で、その限界として近年のデジタル化などで事業モデルが大きく変わった中では効果を発揮しないケースが見られるとしている。

最後に、豊田会長が「主権を現場に戻したい」と語ったことを紹介しつつ、PDCAが現場の士気を下げてしまっては元も子もない。効率や能率を超えて、技術革新と絶えざる自己変革を呼び込んでこそ本来のPDCAだ、としている。

2、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

皆さんはどうお感じでしょうか?

PDCAについては私も思うところが色々とあって、過去にも以下のような投稿をしています。

PDCAは、他の様々な手法と同じように、結局は「運用」次第です。

それを、常日頃回していくと、惰性となり、本来であれば、planを見直すべき状況であっても、声に出しにくく、やり過ごしてしまったり、全く違った進め方が求められるような状況には対応できなかったりしてしまいます。

個人的に特に今回の記事で興味深かった点が以下の2つです。

☑️ 航空業界では失敗を「させない」ではなく、失敗が生じても安全装備や行動マニュアルによって何重にも挽回のチャンスが用意され、「事故に結びつけない」という発想であり、それに立脚した独自のPDCAを絶えず磨き続けていること

☑️ 「重要なのは「内的動機づけ」であり、PDCAも使い方を誤ると過剰な計画と規則で自律的な創造力を毀損してしまう」という専門家(「失敗の本質」著者の野中郁次郎一橋大学教授)の指摘

1点目はPDCAそのもの、というより、「失敗があることを前提としてそれが重大な問題に繋がらないようにする」という点が私になかった発想でした。

2点目はPDCAはイノベーションには向かないことを指摘したことと共通していますが、いわゆる「モチベーション」にも影響を与えかねない、という視点はありませんでした。

打ち手を考え、実行し、効果をみて、修正が必要なら素早く加える、というのは仕事では共通のことでしょう。
それをPDCAと呼び、型にはめて実行し始めるとその型に合わせるように報告をし、その型にはまらない(はめにくい)事象は見落とすようになる(脱線ですが、これ、報告でもフォームをつくると質は上がる気がしますが、逆にそれ以外を見落とす(気にしなくなる)ようになる、という弊害の方が大きいと最近感じています。また別の機会に書こうと思います)弊害が発生するようになる。。

こういったことはPDCAに限ったはないではないので、繰り返しになってしまいますが、「運用」が重要なのだろう、と改めて思いました。


最後までお読みいただきありがとうございます。
記事の紹介と、またまた当たり前の結論ではありましたが、どこか参考になることがあれば嬉しいです。


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