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#504 深く考えるには「考えない=真空」が必要。

音楽史の本を読んでいて、ほー、と思ったので、メモ。


1、忙しい時ほどゆっくり考える時間が必要、なんだけど…

忙しいです。仕事。大抵うまくいかない時ほど、報告を求められますので、余計忙しくなります。

勢い、目先の仕事をやっつけることに集中してしまいますが、そもそも何のためにやっているのか、を見失いがちで、優先すべきことや、本来の仕事がゴテゴテになる、というデフレスパイラルに陥る、「モグラ叩き状態」一直線です。

わかっちゃいるけど、やめられない、ということで、かろうじて大きな失敗もせず、こなしてはいますが、緊急事態だ!というサイレンが頭の中でなりっぱなしです。

で、今朝、夜明け前から起き出して車で東京のお台場海浜公園まで行って、ぼーっとしてきました。

今朝6時半頃のお台場


波打ち際でぼーっとしていたら、気がつくと1時間弱、経っていました…
おかげさまで少し頭の中がスッキリした気持ちになって帰ってきました。


2、「音楽」のマルセル・デュシャン!?、ジョン・ケージ

そこで思い出したのが、以前読んだ音楽史の本(脱線ですが、たまにですが、意識的に全く自分と縁のないジャンルの本を本屋さんで無作為に選んで読むようにしています)に登場していたジョン・ケージです。

ジョン・ケージは、何も演奏しない『4分33秒』という作品を1952年に発表した作曲家です。

ちょうど、マルセル・デュシャンが、既製品である男性用便器を『泉』と名付けて作品と称し、「美術作品とは何か?」を世に問うたのと同じように、何も演奏しない作品で「音楽とは何か?」を揺さぶる作品です。

ただ、私の記憶に強く残っている理由は、「聴く」ということに対しての問いでもある、という点でした。

初演の際、咳払いや椅子の軋みばかりか、外の風の音など、それまで意識したことのない、周囲のありとあらゆる音に聴衆は耳を傾けたそうです。

つまり、音楽は「演奏」という与えられる音を聴く、という、どちらかといえば受動的なものであったとも言えますが、ジョン・ケージはその「演奏」をなくしてしまったことで、いわば「真空」を生み出したのです。人々はその「真空」があるおかげで、みずから周囲の音を能動的に探し、発見し、その意義について考えることができた、というのが私の勝手な解釈です。

今回の波打ち際の1時間は、私にとって、『4分33秒』であり、その後、家に帰る車の中で、様々なアイディアが湧いてきましたが、そのために必要な「真空」だった、と感じています。


3、まとめ

いかがでしたでしょうか?

ゆっくり考える時間が欲しくて、波打ち際でぼーっとしたら、頭の中が整理されて、より深く考えることができるようになった、それは、その「何も考えない=真空」があった効果なのでは?そして、何も演奏しないというジョン・ケージ『4分33秒』を思い出した、というメモでした。

別にゆっくり考えるのに、波打ち際に行く必要はないのでしょうが、なぜか、今朝、早朝に目が覚めた時に、「海だ!」と思ったのでした。それも、波の音が聞きたい!と。
追い込まれてたんでしょうね(苦笑)。

でも、思い切って行ってみてよかったです。
日曜日の早朝であれば、思いの外短時間で行けることも分かりましたし。9時には帰ってきましたので、まだまだ1日、十分にあります。


深く考える、というと、うんうん唸りながら考えるイメージが強かったですが、その前に一度、何も考えない、真空の時間を持つことが実は大事なのだと実感しました(個人の感想です)。

中身が詰まっているとそれ以上は何も入りませんが、真空であれば、周りのあらゆるものが引き寄せられますからね。

最後までお読みいただきありがとうございます。例によって個人的なメモですがどこかへーというところがあれば嬉しいです。

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