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東野圭吾 「犯人のいない殺人の夜(新装版)」 読了

こんにちは、ジニーです。


すっかり春だな、なんて思っていたら、意外と今日は朝から寒さを
感じる気候。
三寒四温というやつでしょうか?
ちょっと薄着にしていると寒いけど、着込むほどでもない。
なんとも服選びに悩む時期です。


そんな中、読書に関してはミステリーモードが続いておりまして、前回の高野和明さんのちょっとライトな「夢のカルテ」に続き、今回も短編集を読みました。

東野圭吾さんの「犯人のいない殺人の夜(新装版)」です。
1990年に単行本として発表され、その後1994年に文庫化。
そしてこの度2020年に新装版が発表されました。

僕はこの新装版にようやく手を伸ばした形です。

前述の通り、本作は短編集となっており、
・小さな故意の物語
・闇の中の二人
・踊り子
・エンドレス・ナイト
・白い凶器
・さよならコーチ
・犯人のいない殺人の夜
という7編の物語が収録されています。


一つのテーマは「人間の欲」。
どれも登場人物の欲が根底にあり、いろんな形でそれが事件を引き起こしています。
そんなテーマの為か、全体的にどよんと淀んだ空気感を感じる作品でした。

最初の発表の時期からもわかる通り、どちらかというと東野圭吾さんの初期に位置する作品ですので、大御所のどっしりとした感じというよりはミステリという形式をいかに飛び出していこうかという気概が全体的に漂っているような印象も感じました。

淀んだ感じと、意欲的な印象。
鈍くとがった刃物のような、一度かすめるといつまでも鈍い痛みが残ってしまうそうな切れ味を持つ一冊だったなという感想です。


相変わらずの、サクサク読めてしまう東野さんの筆力でいろんなテイストのミステリーを味わえるので、これからミステリーに手を出しますという方には、ちょどいい感じの作品だと思います。


さて、僕はといえば、以前ミステリーな気分は抜けておりません。
次は長編作品に手を出しています。
ミステリーの代名詞ともいえるあの方の作品です。

読了後に、また感想を書きます。

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