見出し画像

拝啓 15のわたしへ

所属している合唱団で、今週末に演奏会があります。
大学入学から早6年。今年で最後の演奏会です。
楽しみなような。どうでもいいと思っている私もいるような。
心の揺れ動きが激しいので、整理するために書きます。
15の私に、24のわたしはどう見えるのかなあ。

拝啓 15のわたしへ
中学校最後のコンクールが終わったころかな?
大好きだった部員のみんなとは、今でも連絡を取り合ってるし、合唱続けてる人もたくさんいるよ。みんなと歌えてたの幸せだったなあって思うから、今を存分に楽しんで。

ほぼ10年後の私はね、高校で合唱やめたんだけど、大学でまた合唱部に入ったんだ。
全部で100人以上いる大所帯で、しかも3年間学生指揮者なんてしちゃったの。パートリーダーでさえ板についてなかった私が、信じられないよね。
正直、指揮振ったり練習つけたりするより、歌う方が何倍も好きだけど、みんなが私の好きな曲を笑って歌ってくれるのを見るのが、すごく好きだったりもする。

そしてね、今年が最後の演奏会なの。
指揮者としての演奏会は一昨年に終わったんだけど、ラッキーなのかアンラッキーなのか5年に1度のOBOG合同ステージってのがあって、今年もステージで1曲振るんだよ。歌い手としても、指揮者としても、最後の演奏会。
しかもね、別の曲でソロをさせてもらうの。
ソロ向きな声じゃないの自分でもよく知ってるけど、人前で歌うの最後かもしれないから絶対思い出だよね。

演奏会直前なんだけど、すべてにおいて何となくうまくいかなくて…。
医学部以外の同回生は一昨年卒業しちゃって、後輩ばかりがどんどん増えて、今やいちばん上の立場になってしまったことに対する戸惑いや居心地の悪さはもともとあったの。
加えて、自主練はめちゃくちゃしてるけどホールや人前で歌うソロパートは全然私らしく歌えないし、
そんなに上手ではない指揮でみんなを引っ張れてる気がしないし。

何のために歌ってるのか、わからないんだよね。
ずっと歌うのが大好きで、どちらかというと自分の声が結構好きで。
常に誰か、言葉を届けたい人がいたんだ。
今は、誰に言葉を届ければいいのかわからない。
少し居心地悪いまま歌ってて、私本当に楽しいのかなあって思っちゃう。

『手紙』を振るんだ。1年前のNコンの課題曲だよ。
10年前の自分へ、今の私は幸せだよ って伝えたくて選んだんだけど、現実は悩んで揺れ動いて、そこまでのバラ色人生は送っていません。
居心地悪いなりに、10年後振り向いたらきっと帰りたくなる場所なんだろうなと思ってるし、だからこそ今を精いっぱい楽しもうって思ってる。

この10年ね。私、すごく幸せだった。
好きになった人を、ずっと好きでいられた。
大切な人がたくさんできた。
叶えたい夢がいっぱいできた。
諦めなければ大抵のことは叶うってわかった。
自分の世界をどんどん広げることができた。

私の振る『手紙』が、あなたに届きますように。
ソロパートが成功したって報告できるように頑張るね。


追記… 私が実際に過去の自分に届くよう手紙を書くなら、この10年幸せだったとかは伏せようと、書きながら思いました。幸せだったのは本当だし、後悔は今思い返す限り何もしてないけど、そんなこと言っちゃダメな気がする。何も気にせず、自由に生きてほしい。

#手紙 #エッセイ #過去

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?