小説 空を見上げれば(上)52

こんばんは。小説家の藪田建治です。

今日のサッカー日本代表対オーストラリア代表の一戦DAZN社での配信しかしていないのが寂しいです。

さて小説をアップします。

「まあ人生長いんだから焦らずに。それより台湾の案件の進捗具合はどうだ。」
「来月末には工場内でお客さんを呼んで機械完成後のテストを行う予定です。その後出荷作業に入って再来月の頭には搬送という段取りになります。」
「そうか。納期はかなり口酸っぱく言われているだろうから、このまま何もトラブルなく進んでくれたら良いが。」
「そう願うばかりですね。ここで実績が出来れば、他の得意先にも売り込み易くなりますから。」
「そうだな。」
 会話が終え、勝哉が1人になると一息つく。どこの家庭にもそれぞれ言わない悩み、問題がある。今は孝太が主に悩みの種となっているだけで、有紀がいつ学校やその他で悩みを抱えるか分からない。
 でも自分を、自分の家族を案じてくれる人がいる。まずはそこに感謝すべきなんだ。40代になり、もうあと数年で50才になる。学生時代の友人とはもう年に数回しか会っていない。しかも限られた友人だけ。
 友人でさえ他人に気をかける人間はそう多くない。しかもそれが仕事上の関係になれば尚更上辺だけ。その場に居合わせたから案じた、それも確かにあるだろうが、言葉が持つ熱を感じた時、似た境遇の中で真剣に話してくれた。
 家族がいても、それ以外の付き合いが年々減っている。お互いに家族があり、仕事があれば仕方ない。しかしこのままいけば友人達も遠くなり、自分の周りには何も無くなってしまうのか。不安が過ぎる。
 いかん、また弱気な自分が顔を出している。こんな弱気でいてどうする。弱くなった自分を他人に見せるのが恐い。出来る事なら、誰にも付け入る隙を与えないような人間でありたい。

完璧主義者、その完璧を追い求めようとする気持ちも分かりますし、私も完璧な小説ってどんなだろうと思いますが、あまりに完璧ばかりを追い求めると行動出来にくい状況に陥り易いし、または自己否定に繋がりますよね。

また完璧を他人にも求めてしまう。それが勝哉にはある。だから他人との間に溝も生まれやすいのかなとも思います。

私自身もそうですが、例えばこの創作なら創作で、他人と一緒に進めるとなれば、同じ温度感、熱意を求めます。でもそうではないことが多々ある。他人はそこまで熱意を込めてやろうと思っていなかったり、逆に私の熱量に不満があるかもしれません。

そういう意味でも完璧主義っていうのは難しいもの。チームというのも難しいと感じます。

全員が熱量MAXで、かつ協調性、柔軟性もあったりするのがベストなんでしょうけど、なかなかそうはいかないのが現実。

これを読んでくださった方はどうでしょうか?1度考えてみて下さい。

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