週末のピンボケ

LeicaM3

この人は以前の記事

に登場したフィルムカメラをほしがっていた人。

この写真を撮ったのは上野の昭和が香る喫茶店、ギャラン。なんと未だに全席喫煙可という喫煙者の私にとっては嬉しいお店。この御時世、そんな店に女の子連れて行くなと言われたらそうかもしれないのだけど、事前に聞いたらご両親が喫煙者だったようで余り気にしてなかったようだった。気を使ってくれたのかは今となっては分からず終いだが。

普段こういった喫茶店に来ないのか随分とメニューを眺めては悩んでいた。ご馳走するから好きなの頼みなよと勧めた。彼女はコーラフロートを頼んだ。
私はアイスコーヒーを頼んだような気がする。袖をまくってるところを見ると暖かい日だったのだろう。

ところでこの写真について少し説明という名の釈明をしたいと思う。
LeicaM型はレンジファインダーカメラという種類に属する。一眼レフとは違い実際に撮影するレンズとファインダーは別の光学系となっていて、その為に最短撮影距離が長くなってしまう。M型の場合1m〜65cmが相場だ。一眼レフの今時の標準レンズだと45cm程で、ズームレンズの簡易マクロ付きとなれば更に寄れるだろう。
この写真はレンズのヘリコイドを限界まで繰り出して(最短撮影距離にして)構図だけ決めて撮った。
こうなることは想定済みだったのだけどそれでもいいからこのシーンを撮りたかったのである。
今この瞬間を撮りたいと言う気持ちが第一優先でそこに機材の制約からくるイメージとの不一致を計算して撮るといった感じ。

因みにこういう事を想定してビゾフレックスというアクセサリーがあるがそこまで書いても野暮だろうからやめておく。

この頃彼女は毎週末泊まりで遊びに来ていた。
都内に繰り出しては写真を撮っていたように思う。

付き合ってたとかそういう訳じゃないし、被写体として何かを頼んだわけじゃなかったのだけど、不思議な魅力があった。年上だったのだけど血の繋がってない妹のような感じがした。

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