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ゴールを設定したときに、そこには誰がいますか?

仕事をしていると、「ゴールは何か?」を問われることは少なくありません。

プロジェクトのゴールであったり、1時間の打ち合わせのゴールであったり。確かにゴールがないと迷子になって、何をやっているかわからなくなります。ゴールを設定するのは重要なことだと思います。

私は製造業で事業企画をしています。今は事業部のマクロ事業計画を担当していますが、その立案過程において、方針としてゴールを示すのが非常に重要な役回りです。

しかし、ゴールを示す時は注意をしなければいけないと思っているのです。

例えば、「売上***億円増!」とか、「利益率***%達成!」とか。良くありますよね。
実際、私の事業部でも今年このような形で方針が示されました。

それにもたれて経費予算などの立案をしていきますが、技術部や工場の予算検討をしていくと、予算増加など、その方針と逆行している申請が出てくることがあります。

こちらの立場からすると、いやいや勘弁してくれよと思うことも確かにあります。彼らはゴールが分かっているのか?と思ってしまうこともあります。

しかし、ここで、「ゴールは利益を出すことです!」とか高らかに宣言したらどうなるでしょう。

実際、私の上司も打ち合わせで長々と「如何に我々の事業は苦しいか」「どれだけ社長からのプレッシャーがあるか」「業績を回復させないといけないか」を語りました。そして「その状況踏まえて再検討お願いします」と言って終わる打ち合わせを繰り返しました。

でもなかなか変わらないんです

関係部署だってバカじゃありません。事業が苦しいのはわかるし、利益を出さなければいけないことだってわかってる。でも、自分の部署にはやらねばいけないことが他にもある、ということなんです。

顧客から要求された設計や試験をしなければいけない。
顧客の要求に合わせて納入するためにトラック便を増やさなけれないけない。

今、歩いている道の目の前にある課題に取り組んでいる人に、遠くの山を指して、「あそこに早く行こう!」といったところで理解されません。

自分のゴールを決める分にはどこまで遠くたっていいです。でも、他人に動いてもらって達成しなければいけないゴールであるならば、ゴールまでの距離はコントロールしなければいけません
そして、そのゴールに関係部署の人が立っている絵を想像しなければいけません
設定したゴールで、その人は何をやっていますか?
そこまで想像力を働かせてゴールを示さねばいけません。

つまり、ゴールを設定するときには関係部署を主語にして語ることが必要。

ということです。
「誰が」「何をしている」という状態でゴールを示していかないと伝わりません。良く関係部署の人に対し、「あの人は何事も他人事だ」といって文句を言う人を見かけますが、それこそ文句を言っている人こそ、この状況を他人事と捉えていると思います。

文句を言うくらいなら相手のことを自分事として考えること。そうしないと相手は動いてくれません。

ゴールを設定するときは、そこに一緒に行く人を想像する。これが大事なマインドセットです。



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