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📓【教育①】今週の1冊 from library

教育ほどその成果が曖昧になりがちなものはありません。

昭和時代の教育書には、
どのような記述が多かったかご存知でしょうか。

「子どもが生き生きと授業を受けている」
「挙手している子どもの目が輝いている」

そのような非常に主観的な視点からみた記述ばかりでした。

そして、
その授業の方法というものはあまり公開されなかったのです。

しかし、
それに異と唱えた教師がいました。

「医学の世界ではよい治療法があったら発表をし、世に広めていくのに、教育の世界では、よい指導法があればそれを隠し財産にして人に教えようとしない。よい指導法があるのならば体系化して世に広げるべきだ」

そう唱えたその教師は、

「教育技術の法則化運動」

という運動を始め、
全国の中で眠っている、
よい指導法を論文にして集め、
出版するという流れを巻き起こしました。

「自分の指導法が世の役に立つかもしれない」
「自分の名前が論文執筆者として本に載るかもしれない」

そんな夢を抱いた教師たちが殺到し、
法則化運動は、何十万人を巻き込む運動へと発展し、全国の若き教師たちの心に火を点けていったのです。

この運動の時に求められたのが、再現性

同じような指示・発問を行うことで、
同じような反応を子どもから引き出すことができる。

やがてこのような再現性というものが数値として表されるようになっていきました。

それが、現代ではエビデンスとして唱えられています。

教育の曖昧さの中に、
科学的な根拠を求める。

主観的な視点を重視し、
教師の実力に依存してきてしまった今までを顧みて発展させるために、非常に大切な視点。

今週は、そんな、

教育×科学

の本を紹介します。

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