なぜあの人の話は分かりやすいのか?「話す」を磨くために意識したいこと
1週間の折り返し地点。
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
分かりやすく伝える。
要点を絞って話す。
仕事をする上で、話をする力は言うまでもなく重要です。
仕事の説明。
プレゼンテーション。
雑談。
用途によって、意識したいことも変わる。
相手に伝えるためには、話すという行為が半分以上を占めるであろうことを考えると、
「話すを磨く」という行為は、仕事の質や人間関係の質を全体的に底上げすることになります。
勉強しておいて損はない分野です。
筆者は、教師という職業をしながら、同時並行で、NPO法人主催する研修会などで講師を勤めることが多々ありました。
そして、回数を重ねれば重ねるほど、
話し方に様々な気付きを経て、
フィードバックを得てきた中で、
分かりやすく伝える術を学んできた経緯があります。
この記事では、主に、仕事の説明やプレゼンテーションといった、
相手に分かりやすく伝えるという点において、そのコツや磨く方法などを紹介できればと思います。
是非、楽しんで行ってください。
話し方のコツ/磨く方法5選
話し方を磨いたり、相手により伝わるために大切にしてきたりしたことは様々あります。
その中でも、主となるものに絞った5つ。
その5つの柱を基にして、「話す」というテーマを切り込んでいけたらと思います。
以下の5つです。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶人前に立つ
❷言葉を削る
❸話は短く
❹論理とストーリーの使い分け
❺伝えたい思い
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶人前に立つ
話すことを上手になるために最も手っ取り早い方法は何かと問われれば、真っ先に
「人前に立つ」
ことであると答えます。
教師というのは、常に人前に立つ仕事です。
新卒1年目は、
「自分なんかが人前で話してよいのだろうか」
と思ってビクビクしていた時もありましたが、
教師の仕事の責任を受け入れ、
覚悟を決めてからは、
前に立つことが当然と思えるようになっていきます。
ただ、何も学ばずに、ただ子どもが話を聞いてくれている状況に甘んじていると、
必ずしゃべり過ぎるようになったり、
話の内容に変化が生まれなかったりして、
ダレが生じてきます。
だからこそ、様々な場で人前に立つといいでしょう。
研修の講師として人前に立つ。
研究授業で人前に立つ。
職員研修で人前に立つ。
学年集会で人前に立つ。
そして、可能であれば、話が上手な人にアドバイスをもらうのが1番。
ただ、そこまでの環境が整っていなくても、自分一人でもできることはあります。
❷言葉を削る
授業を行っていると、話し方によって、子どもたちへの学習の入りがよいときと、悪いときに明確な差が生まれます。
「学習の入りがよい」
ということは
「言葉の入りがよい」
ということ。
「言葉の入り」をよくするためは、厳選した言葉を発すること。
つまり、言葉を削るということです。
1番内容が入らないのは「あー」「えー」とかいう余分な音がある時です。
そもそも発達凸凹の子どもたちの中にはワーキングメモリが少ない子どもが多い。
ただでさえ2つか3つのことしか覚えていられないのに、余分な音までごちゃまぜになったら、何が大切な情報なのかを抽出できない。
彼ら彼女らの中は、大切な情報を判断するという「中央実行系」という力も弱い子がいるのです。
だからこそ、授業の言葉は極限まで削ります。
例えば算数の授業はこんな感じです。
「教科書開きます」→開かせる。
「問題3先生の後について読みます」→読ませる
「式を教科書に書きましょう」→書かせる
どの言葉も5秒以内に収まる程度。
このように
短い指示・説明 ⇔ 作業
というリズム・テンポでやっていくから、指示の入りに抜け落ちがなくなる。
集中力が落ちる時がなくなりづらくなる。
結果、学習の入りがよくなる。
というサイクルを回せるのです。
教師になりたての頃はこれがなかなかできなかった。
なので、自分の授業映像を撮り、ノートに言葉を全て書き出して、いらない言葉を塗りつぶすという作業も、何十回も行いました。
結果、無意識に言葉を短くできるようになっていったのです。
言葉を削れば削るほど、1つ1つの言葉が鋭くなります。
❸話は短く
皆さんは子どもはどれぐらいの話の長さまでなら、内容を覚えていられると思いますか。
これは大体30秒です。
そしてこれは、大人もほとんど一緒です。
だからこそ、教師や上司が一方的に話す長さは30秒以内に収めることが理想です。
これを意図的に行うためには、まずは書いてみることが大切。
筆者は教師になって3、4年目ぐらいまでは全校朝会で話をする番になった時に、何を話すかの言葉を全てノートに書いていました。
そして、話す練習をして、何秒かかるかを計測していた。
だから何となく30秒というのがどれぐらいの長さがが分かります。
加えて言うならば、一文を短くするとさらに分かりやすい。
「書く」⇔「話す」は連動しているので、
書く言葉の一文が短くなれば、話すときの一文も自然と短くなっていく。
一文が短い方がワーキングメモリ的にも聞き手は楽。
ただ、伝えたいことがたくさんある場合、仕事の説明が30秒ではとても終わらない場合は、応答を交えるとよいでしょう。
筆者であれば、話を授業形式にしてしまうのです。
例えば、
「整理整頓」というテーマで話をする時。
「学校が落ち着いているかどうか。荒れているかどうかは、実はあるたった1つのものが揃っているかどうかを見れば分かると言われています。何だと思いますか。」
といった具合に問いかけ、実際に指名をしてしまう。
「正解はくつのかかとです」
と答え、なぜくつのかかとを揃えると学校が整うのかを話し、みんなで整理整頓を心がけていきましょうねと伝えるのです。
仕事ならば、
「どう思う?」
「質問はある?」
「この中だったらどれがやりたい?」
などの相手に発話させる機会も設ければ、相手のワーキングメモリが一杯になることを防げ、内容をより伝えることができると思います。
❹論理とストーリーの使い分け
人間には認知特性というものがあります。
脳の情報処理の性質上、
話を論理的な構造で理解しやすいタイプと、
物語調で理解がしやすいタイプに分かれる。
前者が同時処理。
後者が継次処理。
両者は以下のような特徴が見られます。
割合的には、同時処理が8~9割。
継次処理が1~2割ですので、
大方は論理的な話し方や全体像を示す話し方で入っていくと思います。
論理的な話し方とは、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結論 → 根拠
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という構造。
全体像を示す話し方は、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今から3つのことを話します。
1つ目は~
2つ目は~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という構造。
一方で、情報量が多く、想像させた方が分かりやすい内容はストーリーにして話した方が入っていきやすい気がします。
例えば防犯訓練の大切さを伝えるとき。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ある大阪の小学校。〇年前のこと。そこにはいつもと変わらない日常が流れていました。しかし、1つの異変が起こったのです。校舎に近づく黒い影・・・」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
といった形で、ですね。
ただ、あまりに恐いイメージを抱かせる話をストーリー調で伝えてしまうと、
フラッシュバックするような強烈な恐怖感を植え付けてしまうので、そこは注意が必要。
シチュエーションによって、使い分けたいところです。
❺伝えたい思い
❶~❹で様々な工夫を伝えてきましたが、結局はこの「伝えたい思い」がなければなかなか相手には伝わりません。
「相手を楽しませたい」
「子どもの安全を守りたい」
「部下に成長してほしい」
「授業でできるようにさせたい」
という強い思いがあるからこそ、言葉に力が宿る。
表情が本当に楽しそうであったり、
鬼気迫るものに変わったりする。
より伝わるように、自然と身振り手振りも加わる。
聞き手の顔を1人1人見るようになる。
それらは全て伝えたい思いがあるからです。
そのような思いが自然と湧き立ってくるような人間性を普段から高めるために勉強をしたり、行動をしたりすることもとても大事なことだと思います。
まとめ
話し方の技術を高めるという点にだけフォーカスすると、小手先の技に頼ってしまいがちになるかもしれません。
技術も大事。
しかし、もっと大事なのは思いです。
相手に伝えたい思いがあるから工夫が生まれる。
相手に伝えたいから、1人1人の特性の違いに配慮して話す。
人間というものをもっと理解するために勉強する。
というサイクルが生まれます。
それがなければ、話し手だけが悦に入って、空回りするということになってしまうでしょう。
思いや心を大事にすることをベースとして、
技術も磨く。
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