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なぜマレーシアに無差別殺人が少ないのか


マレーシアは犯罪率は高いのですが(英語版Wikiによると東南アジアで一番高いそうです)、無差別殺人は少ないです。7年住んでいる私も、聞いたことがないです。

50代の華人男性に聞いたら、記憶にある限りでも、マレーシアで無差別殺人を聞くことほとんどないと言ってます。殺人といえば、宗教がらみのテロか、怨恨か、お金目当てと相場が決まっていると。

調べてみると、あるにはありました。

例えば、1947年にクアラルンプールに向かう列車で精神を病んだインドネシア人に11人が殺された事件がありました。これ、マレーシアで起きた殺人事件を集めたサイトにありましたが、出だしはこんなです(意訳してます)。

私たち(マレーシア人は)殺人事件を見ては、「こんなの外国でしか起こらないラー」と思うかもしれません。有名じゃないですが、実はマレーシアでもあるんです。

だいぶ趣が違う気もします。

マレーシアでは多民族国家で、マレー人、華人、インド系といろんな人が住んでいます。人種的にもバラバラです。しかも人口の数%には、サイコパスや性格異常の人がいると言われます。マレーシアにもいるはずですね。

なのになぜ、こうした事件がほとんどないのでしょうか。
気になってちょっとこの華人の家族と議論してみました。

今回は、私たちが話した6つの仮説のご紹介です。
ただの雑談ですが、お付き合いください。

(仮説1)南国であるから

まずは南国だからかな? という仮説を立ててみました。
温暖な気候は人々を温厚にするんじゃないかな、と。

確かに、シリアルキラーが出るような国って、冬の寒さが厳しいところが多い気がします。
気候が性格に影響を与える、とする研究結果もあります。

実際にどちらの国でも、温和な気候の場所(平均気温22度)で暮らす人は、より極端な気候で暮らす人と比べて感情的により安定し、外向的で、新しい経験に対して開かれている人格のようだ。

ところがもう少し調べてみると、同じ南国でも沖縄は「シマ社会」と呼ばれて、閉鎖的だったりする面もあるようです。

社会内部に対しては抑圧的で、かつては村の掟に背いた者や気に入らない者を攻撃して殺害する事件が発生(サンシー事件、具志頭制縛致死事件、糸満町集団殺人事件を参照)するなどの暗部も抱えており、本土の村社会と同様に排外主義の側面をもっていた。このような閉鎖的な社会を嫌う者の中には、「せめて死んだ後は、(シマ社会に囚われない)気の知れた仲間と一緒に葬られたい」という趣旨で「模合墓」という墓も出現している。

うーん、よくわからなくなりました。

(仮説2)人が孤立しにくい社会だから

「孤独に感じる人が少ないんじゃないのかな」と息子さんが指摘しました。

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