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マレーシアではいじめをどう解決するのか

マレーシアの「いじめ事情」について質問をいただきました。

昨日 いじめ→いじめ動画撮影→それを拡散(link: https://news.yahoo.co.jp/pickup/6314493) する事件が起きました。1.いじめ 2.虐待 3.振り込め詐欺 は 解決すべき問題の中でも 本気になれば(アイデア・慣習を変える次第)で激減できそうなのに遅々として対策が進みません。特に今回起きた1はマレーシアではどんな状況なのでしょうか? いつかツイートで触れていただくと幸いです。

マレーシアでも「いじめ」はあります。
多分、世界中、どこにでもあるんじゃないかな。
けれども、いじめで自殺してしまう子は、日本よりずっと少ないと思いますし、そこまで追い込まれることは稀でしょう。

ちょっと解説します。

第一歩は「いじめは必ず起きる」と認識すること

インターナショナル・スクールを取材していて、もっとも日本と違うと思うのは、先生たち、学校側が「いじめは必ずおこる」と認識していることです。人種がいろいろだからか、みんなが仲良くすることに対して、日本人ほど楽観的ではないんですよね。

息子の学校もそうで、先生は「あの三人はいつもあの子に意地悪しているようだ」程度の認識をしていました。

誰もがいじめる側に回ることもあり、いじめられる側になることもあります。

私はインターナショナル・スクールに取材するたびに「いじめにはどう対策を取っていますか」と聞いています。すると、対処法は主に3タイプありました。

1 話し合いやロールプレイで解決する

まずは話し合いをする学校が多いです。

ある学校では、揉め事が起きると砂時計を使い、お互いの言い分を数分間、黙って聞くことにしています。砂時計が落ちている間は口を挟めないのだそうです。

息子の学校ではクラス代表が集まり先生と一緒に解決方法を考えていました。いじめられている子をさりげなくクラス代表が助けたりするわけです。

ある学校でいじめが起きたのですが、いじめている側にはいじめている意識がなかったそうです。ちょっとからかったつもりなのです。いじめの一番難しい点はここにありまして、勝手に相手の気持ちを想像してしまうと、うまく行きません。

そこで、この学校では相手の気持ちを「想像」するのではなく「体験」してもらうことにしたそうです。いじめと同じ状況をいじめられた側に詳細に語ってもらい、大人が主導しこれをクラス全員で「再現」させたのです。

再現ドラマを通して、子どもたちはショックを受けたと先生は言っていました。関係ない子どもたちも含めて、全員がロールプレイをするので、「いじめ」「いじり」の詳細が誰の目にも明らかになり、それぞれが違う感じ方をしたようです。

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