見出し画像

n回目の帰省

またしても息子と実家に帰省しておりました。
実家lifeを満喫するあまりnoteが後回しに。
こうやって年に数回、2~3週間にわたり帰省する生活ももう8年目?
息子が生まれ職場に復帰した直後にコロナ禍による完全リモートワークに働き方が移行するという大幸運に見舞われ、それは今日まで続いている。

稀に見る実家大好き人間且つ、出社大嫌い人間の私にとってこの生活は控えめに言ってパラダイスだ。
それでもうっかり時折「ああ~~…仕事したくない。一生遊んで暮らしたい」などと不平不満をこぼしてしまうが、冷静になれ、私。

月から金まで満員電車で片道1時間の通勤がデフォだった数年前の世界線に生きていたらもはや疲労と睡眠不足で仕事は続けていられなかっただろう。
もしくはいつ破裂してもおかしくない不発弾のごとき不機嫌さで通勤ラッシュを構成する重たい色彩の一つになっていたはずだ。

ああ、ありがたい。
それでもなお遊んで暮らしたいという根源的欲求は多分一生消え去らないが、それでもやっぱり現状に感謝を込めて。

おかげで今回の帰省でも、母がふるまう栄養満点の美味しいご飯をたらふく摂取し、私の心もお肌もプリプリだ。
父はまたしても家中のカレンダーに勢いのある筆致で「福太郎帰省」の文字を躍らせる。私は!?数年前は「たいたい帰省」の文字がそこら中に躍っていたというのに…

普段は大人4人(両親、祖母、妹)で静かに暮らしている実家リビングが、近頃さらに「悪ごろ」感の増した暴れ馬、対福太郎仕様になり、出迎え準備も万全のご様子。

ちなみに、福太郎来襲の報が届くと両親は速やかに、投げつけられて困る割れ物、小物、重いもの等を排除、または幼児の手の届かない高さまで移動させる。
また、テレビとゼロ距離でEテレを見る習性のある福太郎の視力を守るためにテレビ付近に愛のバリケードを設置する。
その他扇風機程度の重量のものは悪鬼になぎ倒されるため、リビングから撤去。
その他こまごまとした対幼児布陣が敷かれる。

生まれてこの方、数か月に1度の帰省にすっかり慣れている福太郎は到着早々、勝手知ったるリビングのスライドドアをパシーーン!と勢いよく開け放ち、お気に入りのソファーをめがけてプリプリ歩き、定位置にちょこんと腰かけEテレを所望する。

「ご!(福太郎語で「お願い」「はい」「頂戴」などの万能語)」

父はほくほくした表情で「待っとれ!」などと言いつつそそくさとテレビを付けてあげる。
母は母でいそいそと冷蔵庫から幼児用のリンゴジュースなどを献上する。

小鼻を膨らませ夢中でジュースをちゅうちゅう吸う福太郎の様子は私などから見てもあまりにも可愛いため、我が両親はもうメロメロである。

特に福太郎と父は相性がいいらしく帰省中二人はいつも一緒だ。
「寝起きの福太郎が俺を見たとたん、にこーーってそれはもう天使のように笑うんだ。こんなに可愛い子はこの世にはおらんばい!」
そんな父に母も引けを取らない。
「ほんとに、福ちゃんはどうしてこんなに可愛いの?」
「私の子だからねぇ」
私も引けを取らない。

福太郎が小学生になったらさすがに今と同じような生活スタイルを貫くことはかなうまい、と思えば思うほど今を大切にせねばなるまいと心のたすきをきりりと締める。

現在のように気軽に帰省できなくなるのは正直とても寂しい。
福太郎が大きくなるということは、私や両親にとっては年を取るということでもある。

いつまでもこのままこの幸福の中にいたいと願っていても、人生は変わらないように見えて毎日少しずつ変わっていく。
死後の世界があるのかは分からないが少なくともこの世に永遠はない。
だからこそ、今を味わい尽くしてたくさんの温かい思い出にしていきたい、などと実家帰省後はいつも少しセンチメンタル。


サポートいただけたら、美味しいドリップコーヒー購入資金とさせていただきます!夫のカツラ資金はもう不要(笑)