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I have a book hangover: “Where The Crawdads Sing”

湿度でほっぺがペタペタしてる。

こんにちは。
来輝です。

今、私は「Where the crawdads sing」を読み終わった
自分のデスクの横にあるベンチで、
この記事を書き始めてみた。
読んだのは、昨年の9月だったかな。
なんだか感慨深い。

この本は原作邦訳映画も話題になったから、
ご存知の方も多いはず。

内容を知っている方が多いなかでも、
私がこの本について語ろうと思ったのは、
やっぱり自分の言葉で、
本を読んだ気持ち、
映画を観た気持ちを
素直に表現したかったから。



物語の舞台はアメリカ南東部、ノースカロライナ州。
家族に置いて行かれ、
湿地帯で孤独に生活してきたKya Clarkは、
町の人から「Marsh Girl(湿地の少女)」と呼ばれ、
不当な扱いを受けてきた。
だから、ハンサムな青年Chase Andrewsが死体で見つかった時、
Kyaが犯人として浮上したのは不思議ではなかった。
ただ町の人たちが知らないのは、
彼女が本当は繊細で賢い女性だということ。
Kyaと同じく、自然への興味を持つTate Walker
商店で働き、彼女を陰ながら支えるJumpin'とその妻、Mabelだけが
彼女の素晴らしさを理解しているかもしれない。

Kyaの幼い少女から成長していく過程と、
Chaseの死体が見つかり、捜査が始まる1969年が
同時進行で描かれる。
Kyaの人生とTateやChase, 町の人たちの人生が
少しずつ重なっていき、
最後の最後で真実が美しく、
そして残酷に明かされます。


読み始めた頃は、
こういう歴史小説ようなスタイルに馴染めるかな
とちょっと不安だった。正直。
でも、ページをめくるごとに、
Kyaの視線の先にある景色が鮮やかに浮かび上がって、
まるで私も彼女の傍にいるみたい。
この本はすごい。
と何ページか読み進めて思いました。
詩が重要な役割を果たすのも気にいった。

you→ya
them→'em
mother→ma
father→pa
など南東部の訛りの表現なのかな、
省略された言葉(ain'tとかも)が多かったので、
慣れるまで時間がかかるかも。


映画はアメリカでは2022年の7月、
日本では同年11月に公開されていますね。
私が原作を読んだ時点で、
もうアメリカでは公開されていたので、
早くこちらでも観れないかなって毎日ソワソワ。
Kya役のDaisy Edgar-Jonesは「Normal People」のドラマ版で
有名になった俳優。
私の憧れ。
Tateを演じたTaylor John Smithは観る前から、ハマリ役だと思った。
誠実な人間が似合う。
Hawaii Five-0Chicago P.Dに出てたの嬉しすぎ)

もう楽しみで、楽しみで、
公開日に観に行ってしまった。

KyaとTateが素晴らしかったのはもちろんだけど、
Chaseの威圧的なので嫌な奴なのに、
なんか惹かれてしまうあの感じをHarris Dickinson
とても上手く表現してて、びっくりした。
新たにKyaの味方になってくれる弁護士のTom Miltonは、
「Memphis Belle」に出てたDavid Strathairnが演じてて、
Matthew Modineファンを親に持つ人としては、
テンションが上がってしまいました。

映像は綺麗だし、
映画が終わったらTaylor Swift流れてくるし…
ひとりでちょっぴり泣いた。

でもね。
その後、日比谷公園で
コーヒー片手に余韻に浸りながら、
いろいろ考えてたら。

映画は良かったけど、
やっぱり本のラストシーンの感動に勝るものではなかったかな。
と。

長い月日のお話を映画で表現しようと試みたことによって、
どうしてもシーンの切り替わりが早いと感じたし、
当たり前だけど、本に出てくる全ての場面が映像化されたわけではない。
Kyaの人生を彼女と一緒になって生きることで、
最後の意味が、
最後の感動が、
意味を成す。
だからこそ、詳細に描いてほしかった。残念だ。

映画だけ観たら、
「???」となってしまいそう。

だからやっぱり私は、
素敵な俳優さんたちが出ている映画も観て欲しいけど、
原作を推す。


ではでは。
「Where the crawdads sing」から私の好きな文章をいくつか。

His dad had told him many times that the definition of a real man is one who cries without shame, reads poetry with his heart, feels opera in his soul, and does what's necessary to defend a woman.

"Where The Crawdads Sing" Delia Owens

Tateのお父さんは良い人だ。


Autumn leaves don't fall; they fly.

"Where The Crawdads Sing" Delia Owens

秋が待ち遠しい。


If anyone understood loneliness, the moon would.

"Where The Crawdads Sing" Delia Owens

月は私の友達。


もうひとつ、
私の心の一部になった言葉があるのだけど、
それは完全なるネタバレになるので、
やめときますわ。


あと最後に。
著者のDelia Owensは動物学者で、
フィクションはこの作品が初めて。
彼女と夫、Mark Owensは彼らがアフリカに住んでいた頃に
密猟者を撃ち殺したことが議論を呼んだり、
のちに告発されたりと、
いろいろと論争が巻き起こってるみたい。

有名だから、
人気だから、
とすぐに食いつくのではなく、
物事の表も裏も知ったうえで、
楽しむ方がかっこいいですな。


次はどの本について語りましょうか。


Have a lovely day :)
Laica


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