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通訳について思うこと(1)初めて通訳でお金をもらう

こんにちは、Mikiです。自己紹介はこちら

中文や韓国語で父、母の意思疎通を手伝ったのが最初の「通訳」の経験でした(前回の記事)。そんな私が通訳でお金をもらったのは有償ボランティアという形でした。

初めて通訳でお金をもらう

  大学を休学していた年のことです。知り合った人が友人同士数人で集まって中文の勉強会をしているらしく、ちょくちょく参加させてもらっていました。そんな折、勉強会を提案したというIさんに、イベントでボランティア通訳をやってみないか?と誘われました。Iさんは運営に関わっていたのです。
  私が中文話せると言うとすぐに、通訳できるじゃん!と言う人がいますがIさんは違いました。中文の勉強会を通して私の中文の実力を(良くも悪くも)よく分かってくれています。そんな方が「Mikiの中文なら大丈夫だと思うよ」と言ってくれたので、「これも経験だ!」と参加を決めました。

イベント概要

 参加したのは、日中韓の中高生たちが集まり、歴史について学ぶ5泊6日です。中高生が話すのは基本的には各々の母国語のみ。ボランティア通訳はそんな中高生たちがコミュニケーションを取れるようにサポートをします。
  実はボランティアのほとんどは外国人留学生や中国・韓国にルーツがある人。それもT大院生やW大留学生、朝鮮学校出身の人たちなど、頭も良く中文や韓国語が母語の人たちが主でした。
  私の母語は日本語です。日本語に訳すならまだしも母語でない中文に訳すのはめちゃくちゃしんどいです。単語分からんし文脈掴めんしでも中高生たちは待ってるし、頭はパンクしそうでした。いや、パンクしてました笑笑
  5泊6日の中では歴史資料館に行ったり(資料館職員の方の話を訳すのもボランティアですが私は辞退しました😇)、大学教授のお話を聞いたり(同時通訳の方がいます)、発表のために討論したり(私は中国の中高生の中文を日本語に、日本語を中文に、韓国語が日本語に訳されてそれをまた中文にしました)、施設間の移動中に中高生たちと中文でお話したり、韓国語も話せたので韓国語も日本語も使ったし、中国の子と韓国の子が拙い英語を使いながら話してる時に「手伝って!」と言われて韓国語→中文、中文→韓国語と日本語を介さないで訳したりもしました。カオス過ぎましたw

  中高生たちが寝静まった後、ボランティア通訳たちは夜食タイム。私はもともと夜食の習慣がないし、自分のあまりのできなさに落ち込んでいました。なんとなく誰かに電話したくなり母に電話することにしました。

  色々話した後、ほぼ中文だったと思いますが、

我的中文不好…對他們不好意思 嗚嗚
(私の中文が下手で…中高生たちに申し訳ない うう…)

と電話越しに大泣きしたのを覚えています。

ともすれば人の命に関わる通訳。私はこの時、今の自分には絶対に通訳を仕事にできない。仕事にしたくない。もう二度とやりたくない、とまで思いました。

それでもまだ日程は残っています。

できないからこそ

  留学生たちはみんな"母語に"訳してるんだよ、私は"母語から"なんだから難しくたってしょうがないじゃん、いっそ教えてもらおう。
  そう思い直し、暇を見つけては単語を聞き、配布資料にも事前に目を通し、どうにかこうにか5泊6日を乗り越えたのです。
  そうして迎えた最終日、有償ボランティアなのでささやかですが報酬を受け取りました。

  これが初めて通訳でお金をもらった経験です。もしこの先、今後通訳を仕事にしたいと思った時に初心を思い出せるよう、このお金は大事に大事に取ってあります。この報酬は、大切な大切な宝物なのです。
  同じように、この5泊6日の"通訳"も本当に本当に貴重な経験となりました。

  さて、有償ボランティアを通して「通訳は二度としない」なんて思っていた私はひょんなことから中文でのMCを担当することになります。

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