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日常生活の中で慈悲喜捨を育てる

今年の3月頃に、ティク・ナット・ハンの
『今このとき、すばらしいこのとき』(後述)
という本に出会いました。

元々毎日慈悲の瞑想を実践し、
慈悲喜捨を育てることに努めていましたが、
本書を読んでからは、
日常生活の中でも慈悲喜捨を育てられるよう
強く意識するようになりました。

日常生活の一瞬一瞬に、
慈悲喜捨を育てるチャンスが眠っていたのです。

たとえば服を着るとき、
服に困っている人たちの苦しみがなくなるのを願いながら、体の動きに注意して、服を着る。

食べ物を食べるとき、
食べ物に困っている人たちや、
食べ物の犠牲になった生命の苦しみを癒すつもりで、一口一口を丁寧に味わう。

仕事でレジを打つとき、
お客様一人一人の幸せを願いながら、
レジを打つ。
すべての生命が平等であることを見つめながら、レジを打つ。

家族やカップルを見かけたとき、
彼らの喜びが続くように願う。

他者の欲や怒りを目の当たりにしたとき、
生命の心の脆さ、本来の心の性質を見る。

歩きタバコに遭遇したとき、
自分の怒りに気づき、抑えつつ、
その人の悩み苦しみがなくなるように願う。

散歩中にどこかの家から
料理の匂いが漂ってきたとき、
その家に住む人たちの喜びが続くように願う。

鳥の鳴き声を聞いたとき、
彼らの幸せを願う。
彼らが死後、幸せの境涯に生まれられるように願う…

気づきさえあれば、日常生活のあらゆる瞬間で、慈悲喜捨を育てられます。
慈悲喜捨が育てば、欲や怒りなどの悪い心は生まれづらくなります。

僕自身も、日常生活で気づきを保ち、
慈悲喜捨を育てるようになってから、
自分の心が少しずつ少しずつ、
善い方向に変化するのを感じられるようになりました。

憎しみを感じることが減ってきたり、
感じたとしても、以前より微細になっていて
すぐに気づけたり。
孤独を感じることが減ってきたり、
疎遠だった家族との関係が改善し始めたり…

とはいえ、僕はまだまだ修行不足で、
気づきがなくなり、無意味にときを過ごしてしまうこともたくさんあります。
慈悲喜捨とは真逆の心が生まれてしまうこともあります。

これからも一瞬一瞬気づきを保ち、
見るもの、聞くもの、匂うもの、味わうもの、触れるもの、考えるものすべてから、
慈悲喜捨を育てられるよう精進したいです。

『今このとき、すばらしいこのとき』

ティク・ナット・ハンの
『今このとき、すばらしいこのとき』は、
日常生活の中で唱えられるガーター(詩)を、
全部で79個掲載しています。

マインドフルネスがなければ闇
マインドフルネスこそ光
気づきの心は
すべてのいのちを照らしだす

ティク・ナット・ハン著『今このとき、すばらしいこのとき』

服を身につけるとき
服を作った人たちと
服の素材に感謝する
誰もが服に困りませんように

ティク・ナット・ハン著『今このとき、すばらしいこのとき』

生ゴミの中にバラが見える
バラの中に生ゴミが見える
すべては姿を変える
常は無常の中に

ティク・ナット・ハン著『今このとき、すばらしいこのとき』

本書のガーターを唱えることで、
日常生活の中で気づきを保ち、
慈悲喜捨を育て、無常・苦・無我などの真理を見る目を養えます。

僕は最初にこの本を読んだとき、
ガーターを唱えるのを忘れないように、
79個すべてを紙に書き写し、部屋中にペタペタ貼り付けていました 笑

忠実に実践できれば、
慈悲喜捨が急激に育つと思います。

2023に出会った本の中で1番おすすめなので、
興味のある方はぜひ読んでみてください。

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