ふくおか学びの会に参加して

 こんにちは。まなぶ研究会〜ラフテル〜の安永です。今回は記念すべき初投稿として、8月20日に開催された、令和5年度第4回「ふくおか学びの会」に参加した感想を書かせていただきます。
 今回の「ふくおか学びの会」は、いつもより長めの日程だったようで、4部構成の日程でした。第1部では、茨城県の小学校における第1学年の算数の授業をビデオ参観しました。授業ではペア活動が展開されていたのですが、まだ小学校1年生なのにペア同士聞き合える関係性が作れており、とてもびっくりしました。この授業におけるジャンプ課題は、「とおるさんは90えんもっています。40えんのあめを1こかいました。そのあと、おとうさんから10えんもらいました。お金ははじめよりなんえんすくなくなりましたか。」というものでした。この問題の最後の一文があることによって、子どもたちは何と何を比較してよいのか分からず混乱している様子が見て取れました。ペア活動が始まって数分後、先生が子ども達にどこが分からないか発表するように伝え、手を挙げた子どもが自分がどこでつまづいているか発表したあと、先生が「誰か助けてくれないかなぁー?」と言うことで、子ども達が次々に自分達の考えを発表し、学び合いが加速していました。分かることではなく、あえて分からないことを発表させることで、それらを解決していこうとする過程で学びが深まっていくのだと気づきました。
 第2部では、第1部で参観した授業の授業者(クラス担任)である先生のご講話を聞かせていただきました。講話を通して、ペア活動ができる1年生にするために、先生がどのような指導してきたのか知ることができ、授業を見て驚いたあのペア同士聞き合える関係が、連休明けから机の配置をコの字の形にすることから始め、段階的に指導してきた結果であることが分かりました。学び合いの活動を実施するうえで、最初から高いレベルの活動を実施しようとするのではなく、活動に慣れさせながら徐々に活動のレベルを上げていくことが重要なのだと学びました。
 第3部では、大分県で学びの共同体の実践を長くやってこられたY先生のお話をzoomを通してリアルタイムで聞かせていただきました。学びの共同体の実践を行ううえでの学級づくりのコツを教えていただく中で、学び合いにおいて、相手の話を「聞くこと」がいかに重要であるかということを感じるとともに、グループ学習をやり続けることで、荒れたクラスが改善したというお話を聞き、学びの共同体の実践は、クラスの人間関係など学級経営上の問題をも解決するポテンシャルを持っていることを知り、とても驚きました。また、Y先生の「子どもの発言を楽しむ」という言葉はとても印象に残りました。今後教師を目指すうえで、この言葉は忘れないようにしたいと思いました。
 第4部では、アートに関するご講演のビデオを視聴させていただきました。アートとは『「0」を「1」にするのではなく、「見えなかった1」を「見える1」にする』ことだというお話を聞き、これは教育にも通じる話だと感じました。何気ない物事であっても、視点を変えたり、これまでよりも注意深く見たり、聞いたりすることで、そこから新たな気づきが得られる。これは学びを深めるうえでは欠かせないことだと思いました。また、講演者の方は、水彩をコントロールしようとしてうまくできず挫折しそうになったとき、子どもを見習って水彩をコントロールすることをやめたことで良い作品が描けるようになったと語っていました。学びの共同体を実践するうえでも、教師が子どもをコントロールすることをやめることで、子どもたちが思い思いに交わり、化学反応を起こし、教師の想定を超えた学びの姿を見せてくれるのではないかと感じました。
 最後に、今回の「ふくおか学びの会」に参加して、これまで学びの共同体の実践をされてきた方々の熱い思いや、これから実践にチャレンジしようとされている先生方の向上心にとても刺激を受けました。僕自身も、これからもっと学びの共同体の実践について理解を深めるとともに、チャレンジ精神を忘れずに努力していきたいと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?