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大好きな場所で大好きな思いと人をつなぐ

好きなものはたくさんある。

でも何よりも好きなもの、欠かせないものといえば本。
本を読めない生活は考えられない。あればあるほどいい。
多くの本に囲まれた空間は、いろんな可能性を秘めているようで、とてもわくわくする。

幼いころから本が大好きで、同じく本好きの両親の元に育って文字通り本に埋もれて暮らし、
活字を読まない日は1日もない、という環境で育った。
一番好きな休日の過ごし方は朝から晩まで本を10冊くらい読む、という生活をしていた時もある。

さらに、大学を卒業してからは、雑誌や冊子含めて活字媒体、そして今は本作りを職業にできていてとても幸せである。

次に好きなのはカフェだ。

自分がとても幸福だと感じさせてくれるのはいつもカフェにいる時間。
ゆっくりと好きな飲み物を飲んで、本を読んだり、考え事を整理したり、文章を書く時間。


自分が自分であることを取り戻せて、自分らしくいられ、そうして1、2時間過ごすだけで、自分が幸せであることを認識できるのは、居心地のいいカフェにいる時だとあらためて認識したのはいつのころだっただろうか。

旅も異国暮らしもとても好きだったけれど、今は難しいこととなった。
でも本があれば、私をいつでも違う場所へ瞬時に連れ去ってくれる。


カフェに座って、遠くを見つめれば、いつでもそこを、大好きだったメキシコやスペインでコーヒーを飲みながら見た風景に置き換えることもできる。

でもカフェならどこでもいいのかというとそんなことはない。チェーン店はあまり好きじゃない。


人のぬくもりや気遣い、こだわりのある場所が好き。
地域に根ざした場所、歴史を感じられる場所が好き。

だから、北品川でKaido Books & coffeeを見つけた時は感動した。

すぐ近くに子どもを預けられるところもあり、そこでの環境や先生たちをとても気に入った娘はスーパー1歳児と呼ばれていつもニコニコしている。

バスと徒歩で30分かかるけれど、いつの間にか週に1、2度そこへ通うことが楽しみなった。WiFiや電源も使え、美味しいランチも買える。

テーブルは広々とし、あまり人がいない時間は心置きなく資料を広げられる。校了が近づくと、ゲラを広げて赤字を直し、資料を何冊も並べて史実を追う作業に、1日何時間もそこで集中し、来る日も来る日も没頭した。

そして、本ができあがり、たくさんのひとの愛と情熱のこめられたその本の世界と文化と美味しさを伝えるひとつの手段として展示を思いつき、実現できることになった。手探りで、予算も経験もないものを積み重ねて夢を描く。

大好きな場所で大好きな本と文化を紹介して、人や思いをつなげる。

いろいろ簡単にはいかないことも多いけど、簡単にいかないことほど、良いものに辿り着けることも知ってる。

欲ばれないところもあるので、等身大で精一杯やるしかないけれど。

今日の25日の夕刻が多くの人にとってステキな日になりますように。

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