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【アラフィフエッセイ】No.25 私にできること②

「ぶるぽぴさん、歓迎会をするので来れませんか?」

元職場から連絡がありました。

退職して数年が経つというのに、
声をかけてくれてありがたいことです。

聞けば、私が新人教育を担当したA君が
この春昇進して、
私の元職場に異動したそうなのです。

そっかー、成長したんだね。


近年、指導していた後輩たちが昇進することが増えてきており、
私もそれなりに歳を重ねていることを実感します。


「以前彼がいた頃のスタッフは、ぶるぽぴさんくらいなんですよ」


団塊世代の退職による大きな人事異動が続いたため、
ここ数年でスタッフがまるっと入れ替わったのです。

ま、私を含めた退職者もいますけども。

お誘いは嬉しいものの、丁重にお断りしました。


誘ってくれた元同僚によれば
A君も配属されたのだけど、
新人を含めて女性も数名配属したそうで、

「女性の先輩としてコメントして欲しい」
と言われたのです。


あのー、私は数年前に退職して、部外者だよさ……


声をかけてくれたのはありがたいし、
頼ってくれたのもありがたい。

でも、他部署にいるのなら抵抗はないけれど、
退職した人間がのこのこ参加して
「あーだよ、こーだよ」と言うのって
どうなんだろう?って思うのは、私だけかしら?


新メンバーに求められてもいないのに。
ちょっと違うんでないかな?

長年アウェーな男社会で働き
ワーママでもあったけれど、
スタッフはまるっと変わって雰囲気も異なり、
私が勤務していた頃とは
他職種のスタッフだって変わっています。

組織的に見ても、トップや人事担当も変わり
環境自体が異なった状況で、
私は何を伝えたらいいのでしょう?

しかも、私は退職している……


昨年、相談を受けた後輩の場合は、
『復職に関する準備について』の具体的相談であったため、
私の経験を踏まえて伝えることができました。


『具体的な困りごと』や相談であれば、
私の知っている情報や経験を伝えることができます。

求められたことについては、
私のできる範囲で答えることができます。

注意したいことは、伝えることはできても、
「伝わる」かは別だということ。

先輩だからって一方的に発信しても、
こちらが意図するように聞き手に伝わるとは限りません。

良かれと思って先回りしても、
それが良いとは限らないと思うのです。


女性が増えたから。

今後、困らないために。

トラブルを回避するために。


男性からすれば、
事前に配慮することでリスク回避をしたいのでしょう。


面識ある後輩であれば私がコメントしても受け入れてくれるでしょうが、
新人もしくは若手のスタッフであれば、
より『同じ組織に所属するリアルな先輩女性』にコメントを
もらった方が聞き入れてもらえると思います。


新人の頃は何かと不安を抱くものです。

所属先に留まらず、他部署に知り合いがいると
相談先も増え、大変心強いと思います。

施設が異なれば常識も異なる場合もあるため、
井の中の蛙にならずに済みます。

退職者が多い業界ですが、
組織全体で見れば女性がいるのですから
『リアルなコメント』が聞けるでしょう。


また、これから新人教育などがスタートする中で、
指導者との相性や教育課程の進行状況によって
臨機応変な対応が必要となります。

その対応は、現在のスタッフで何とかしなければなりません。

元同僚が統括であれば、
年齢ギャップを考慮しつつ他のスタッフと協力して
対応をすることになります。

であれば、

先ずは、彼が関わりを持って
他のスタッフと連携を組み、
新たな人間関係を構築していくことが大切となるでしょう。


今の私ができることは、
女性の先輩としてコメントをすることではなく、
同僚である彼の話を聴くことのような気がします。


それにしても、
退職したにも関わらず声をかけてくれるとは
ありがたいことです。


後輩たちの近況も聞けて嬉しいです。

自分も先輩方に指導を受けつつ、
指導をしていたのだなと感じます。

指導というか、『伝授』の表現の方がしっくりきますね。


どれもこれも良い想い出です。

どんな経験であれ、
役に立つのかもしれませんね。



ありがとうございました。





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