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『差別のない社会をつくるインクルーシブ教育』誰のことばにも同じだけ価値がある

タイトルのとおりの本がオンラインゼミ「あぜみ」のメンバーの共著として出版されました。
わたしも26人の共著者の一人として、加わっています。

野口晃菜さんのオンラインゼミ「あぜみ」では、「多様性」「インクルージョン」といったものをテーマに月に1度くらいのペースで様々な対談をしたり、発表を聞いたり、ディスカッションをしたりしています。
公式な集まりのほか、それぞれの関心にあわせて、メンバーどうし集まって、読書会を開いたり、ということもやっています。

多様な声そのものに価値があること。
誰のことばにも同じだけ価値があること。
誰かを無意識に傷つけていることがあることを誰もが自覚すること。

こうした「お作法」をかならずゼミの冒頭で野口さんは話してくれます。

わたしは、なにかの専門家でもないし、現場のケア職でもないし、多少のマイノリティ性は持っているかもしれないけれど、特別な知識や経験があるわけでもない。

でも、そんなわたしの声にも耳を傾けてくれて、そこに価値があることを教えてくれたのが、この「あぜみ」でした。
わたしもこれまで、たくさん失敗してきて、家族にも迷惑をかけたし、心配もかけてきました。変わることが怖くて、無理にでも大変な生活を続けようとしたり、弱さを認められなくて、身体が壊れるまで働こうとしたり。

自分自身にも何かしらの価値があるんだ、と気づいたのは最近で、わたしの価値を少しでも社会に還元したいと思って働いて生活するようになりました。

学ぶ場所は、学校だけじゃない。こうして、オンラインでたくさんの人と学びあって、いつのまにか一緒に本を出すことができました。そのために動いてくれた中心メンバーのみなさんには本当に感謝しかないし、わたしの言葉に価値を見出して掲載していただいたことも本当に嬉しいことです。

ほんの数ページだけど、わたしの弱さも、ダメなところも、さらけ出して、言葉にしたものが掲載されています。

モヤモヤして、結論の出ない、自分なりの社会との向き合い方や生きづらい世の中をどうにか飼いならしていく方法、そんなことを書いています。

表紙の絵を描いてくれたのは、三好愛さん。モヤモヤとした気持ち、感情をそのままにたくさんの人が寄り添いあってできた、この本にぴったりな絵を描いてくださっています。

わたしの関心はジェンダーや男性のこれからの新しいキャリア形成の仕方、競争やわかりやすい年収・偏差値みたいなものにとらわれない生き方、みたいなところで、直接的には『インクルーシブ教育』には関わらない部分になります。
でも、とても多様な子どもたちが集まっている地域の公立の学校で、画一的にならざるをえない公教育の枠組みをうまく乗りこなし、工夫されている話を毎回楽しく聞いています。
いろんな問題が複雑にからまって、簡単に答えの出ない教室のなかで、これからの子どもたちにどんなことを伝えていかなきゃいけないのか、一回きりの子どもの人生にどんなふうにヒントをあげられるだろうか、と、試行錯誤する、その実践はとても興味深いものです。

わたしはたくさんのケアに支えられて、どうにか生きていきました。でもケアするひとのしんどさ、もまたよくニュースになるし、実際に現場の困りごとはゼミでもたくさん聞いています。ケアするひとがつらかったら、ケアされるひともたぶんつらい。そんな構造が社会の至るところにあるような気がしていて、ケアするひとへ、ケアの恩返しができないだろうかと考えながら日々模索しています。

専門書籍なのでややお高く、図書館にも入りにくい本かもしれません。ぜひ図書館にリクエストしてみてください。また著者割というのもあるみたいなので(たぶん2割くらい)、もし気になる方はご連絡ください。


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