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アプリで出会って、恋をして【18】

つい先日、ハレさんが寝る直前にこんな事を呟いた。

「自分の会社にもっと女性を増やしてほしいなぁ…。」

気になる言葉だったので、「なんで?」と聞くと。

「場が和らいで、下ネタが少なくなる気がするんだ。」

と答えられた。 

ん?んんんんんんん~~~??
なんだその理論は??

「場が和らぐのは置いといて、下ネタが少なくなるってどゆ事??」

「男って、なんか自分の性事情を話したい欲の人が一定数いるんだよね。
例えば、ワンナイト引っ掛けたとか、奥さん/彼女との情事の話とか。勝ち誇ったみたいに話すの。でも女性がいればそんな話もなくなると思って。」

睡魔で霞がかった私の頭は急遽フル回転し始めた。

「いやいや、でも女性がいたら今度はそれが標的になるから減るわけでしょ?被害はこっち来る訳じゃん?」

「いや、下ネタって男同士で話すわけじゃん?女性を前には言わないって事だよ。せめて可愛いなとか綺麗とか言うかもしれないけど。」

「女性を前にしようが、言う人は言うし。今度はその人を対象に話題が進む訳でしょ?それこそセクハラじゃん。」

私の反論は思わず熱が入ってしまったけど、ハレさんは気にせず聞いてくれた。また別の爆弾も飛ばしてきたけど。

「そもそもセクハラするとか、女性に暴力する様な人は男子校出身が多いっていう統計もあるみたいだよ。つまり女性の扱いが分からないってことだよね。全部共学にすればいいのにね。」

はいはーーい!!!!!はーい!!!反論ありまーす!!!

「まず、共学とか男子校、女子校は関係なくない?共学でも今度は『女の子にモテない、怖い、嫌い』って言う人も居るだろうし。

違うの、根本的な話さ。

そもそもセクハラ発言も行動も、しなきゃいいのよ。」

ハレさんはなんだかイマイチ釈然としない様子で言った。
「何が改善策なんだろうね?」

「私は、性教育の改善が必要だと思う。それには家でもしっかり教えなければ行けないと思う。」といった。

と言うのも、私はちょうどツイッターで、家庭での性教育の仕方を漫画にしたツイートを読んだばかりだったので、それをハレさんに伝えた。

大まかに言うと、子供達にはしっかりと、家族でも不用意に人の身体を触らない。特に胸や下半身と云ったプライベートエリアを自覚させること。
そうすれば、自分の体を大事にすると言う事も教えられる、という物だった。

私は目から鱗だった。確かにそういうことは日本での性教育では教えない。やらしいものだと決めつけたら、すべて隠匿するのだ。
故に男性の女性への扱いは余りにも距離感が近く、特に女性への体に意識をもって行きがちだと思う。

ハレさん的には
「それって家族が介入しなきゃいけないこと?学校がやればいいじゃん。」という物だったが。
そもそも学校が教えてくれないから駄目なんじゃん、と言うと「確かに」と納得した。

まぁ、しかし、それは未来への改善策であり、現状既に成人してしまった、倫理観の矯正が難しい人達へはどう対処したらいいかなと、ハレさんが言うので、シンプルに私なりの解決策を伝授。

「性的な話で、自分が不快なら、立ち去ればいい。そのまま人事に行けばいい。それか、言えるものなら辞めてほしいと伝える。」

「じゃあ誰も不快に思わなかったら?」

「じゃ、良いんじゃない?ほっとけば?猥談、楽しんでるんでしょ?平和じゃん。」

問題なのは一人でもそれが不快だと思うことだ。その時点で、男だろうが女だろうが、セクハラなのだ。

別に下ネタが完全悪だとは言っていないのだから、こっちに被害がなければ、それでいい。
セクハラされてる私が言うんだから。とにかく自分の体が一番大事。

速攻で人事に行きました。

ハレさんは漸くここで、
「なるほど、納得した。」と言った。

私はホッと、細やかな勝利感を感じながらベッドに横たわった。

気づいたら、既に鳥の鳴き声が聞こえていた。

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