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重ね煮の基本

今まで重ね煮を使った簡単レシピを紹介してきましたが、なぜ重ね煮なのかその基本情報はまだお伝えしていませんでした。ただ野菜を簡単に重ねてるだけのようですが、野菜を重ねる順番には自然の摂理が関係しています。

最初からとやかく説明をすると難しく感じてしまう人もいると思うので、まずは「ほら!こんなにシンプル!簡単!」ということを知ってもらいたかったという理由で説明は省いていました。

上手くなるには、理解するには、本当は直接レッスンを受けていただくのが一番早いです。口頭で色んな情報と合わせて聞く方が理解できます。重ね煮の基になる東洋の自然観を知ることが大切ですし、実際に作業を目にすると腑に落ちることもあったり。

ですが、ここで記事を参考にして、自分で実践を重ねる中で重ね煮のメリットを発見したり感じたりしていってほしいと思います。

写真のおかずは分かりやすいソースが写っていないから味の違いが想像できないと思いますが、全て重ね煮で火を通しています。

なぜ重ね煮がオススメなのか!?

1.まず調理が簡単!
→切って重ねるだけ!しかも重ねる順番に野菜を切って鍋に入れていくので、キッチンがトレイやボールで散らかることがない

2.野菜の栄養を丸ごといただける
→野菜の水分、あるいはほんの少しの誘い水だけで火を通すので、茹でる調理の時のように栄養素や味が逃げるということがありません。

3.野菜本来の旨みや甘みがしっかり出てくる
→出汁要らず、砂糖要らず!体や脳が本当に欲する極上の旨みと甘みが引き出せます。簡単調理がご馳走になります。

4.体の調子が整う
→人は食事の7〜8割を穀物や野菜から出る甘みにしておくと調子が整うと食養生の教えにあります。重ね煮を日々活用することで体の基が整います。

5.日持ちする
→無水調理なので日持ちします。下ごしらえに作ったものをストックし、少しずつアレンジして簡単に美味しいお家ごはんが毎日食べられます。

自然の摂理を理解する

重ね煮は野菜を重ねて塩をふり、野菜の水分、あるいは蒸気にする分量で補った水分で火を通す調理法です。

野菜を重ねる順番ですが、陰性→陽性の順に重ねます。

陰性、陽性、とは何かを理解する必要があります。

陰陽論と言いますが、これは東洋に昔から伝わる「自然観」です。天体・自然がどういうエネルギーバランスで、どういう理で成っているかを理解する方法です。

陰のエネルギー:
地球の中心から宇宙に拡散していく遠心的なエネルギーやその状態、上昇性、冷たさ、静的

陽のエネルギー:
宇宙から地球の中心に向かう収縮していく求心的なエネルギーやその状態、下降性、熱さ、動的

食べ物の陰陽

これらのエネルギーは人にも野菜にもあります。

食べ物を捉える時に栄養素だけで捉えるのはかなり部分的であると言えます。例えば陰性の食べ物を口にするということは、体の外側に拡散していくエネルギーや質を取り入れ、自分の体をそういう状態にするということです。

具体的に言うと、夏野菜なんかは地面から上に伸びて育つ野菜ですね、トマトは外側に膨らんで水分を多く含んでいますが陰のエネルギーを比較的多く持つ野菜です。トマトを食べるということは、体が緩んだり毛穴が開いたりして熱を外に逃がす働きがあります。ですから夏にいただくことは自然の理にかなっています。

トマトにリコピンなどいくら良い抗酸化物質や栄養素があるからといって冬にたくさん食べるとどうでしょう?冬は体を固く締めて熱を逃がさない状態にしたいのに、陰の状態を作ってしまうと寒さを感じやすくしてしまいます。

このように野菜だけではないのですが、食べ物の「エネルギーの質」を捉えることは大切です。

さて、野菜の陰陽ですが、どう判断したら良いでしょう?

季節、野菜の育った場所、野菜の特徴を見ると大体解ります。

暑い季節、亜熱帯地方の暑い場所で育つ野菜は体を冷やしてくれる陰の特徴を持ちます。高く伸びたり、比較的密度がなく外側に膨らんでいたりします。水分を含んでいたり色が白っぽいものが多いです。

逆に寒い季節、寒い場所で育った野菜は体を温めてくれる陽の特徴を持ちます。身が締まっていて密度が詰まっています。根菜などは野菜の中では特に陽性です。地面の下に伸びていきます。

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・ズボラさんでも簡単にすぐ作れる、おいしいオーガニック料理やお菓子のレシピが分かります(月4本以上) ・ナチュラルライフは難しくなく、選択肢がたくさんあって自由で楽しいことが分かります

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