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世の中にはびこる不条理の一形態

年末に、とある高齢男性に言われた言葉。

『あなたが働いているのは能力を活かしたいとか、社会に出たいからとか?』

聞いた瞬間にモヤっとして、即座に答えたのが『お金が欲しいからですけど』でした。

なぜモヤっとしたのか。自分なりに考察してみました。

言われた言葉に隠されているであろう文言を追加してみると、そのモヤっとの原因がよく分かります。

『(女性なのに)あなたが働いているのは能力をいかしたい(というのを俺はちゃんと理解している)とか、社会に出たい(という大義名分がなければ女性が働く意味がない)からとか?(そして、俺は心が広いから、働きたいと思う女性の存在もちゃんと理解しているよ)』

あー、これな。モヤっとの正体。

男性が働くことに対して、社会に出たいからと推測する高齢者はほぼいないでしょう。男は働くのが当たり前。そして、高度成長期に社畜として世にはばかった世代は、女性は専業主婦で家にいて家事しとけって意識しかない。女性が働くためには大義名分と理由がなければありえない。だから平気で厚顔無恥に、こんな質問しちゃうんでしょう。

あぁ、日本のジェンダーギャップよ。そしてその担い手たちよ。

今の日本を眺めてみたら、能力を活かすとか自己実現のために働くとか、そんな悠長なことは言ってられない場合も多々あるのに。そして、男性が働くことも女性が働くことも何の違和感もないのだと、当たり前のことなのだから、『俺は理解力がある』アピールのために女性を利用するのをやめませんか。

女性が働くことをまだまだ特別視してしまう高齢男性たちよ。そろそろ意識を変えませんか。


東京のど真ん中に打ち捨てられた家屋。ギャップを内包する都市。

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