見出し画像

石川淳とロルバーン、赤毛のアンシリーズ最終本楽しみ

石川淳は、学生の頃好きで、この筑摩書房の石川淳全集が出た時も一冊結構するものだったが、会社員でサービス残業(当時そんな言葉はなかったが)バリバリで、特にその年代特有のオシャレもする余裕もなく、土日はどちらかは体を休めるために家にいて、もう1日は必ず自分のために美術、音楽のどちらかに行くという日々、特に買い物をする時間がなかったので、会社の購買部で定期購入していた。結婚してからは、転勤続きで一、二年で引越しで、そんな時に必ず自分の蔵書を古本屋に来てもらって段ボールで引き取ってもらったのだが、ある時都心で、狭い部屋で、しかし古書屋は、しっかりしているので、本を減らそうと、なんと今思えばやめておけばよかったが、小説までの、この全集の部分は、売ってしまったのだ…。布装、活版印刷、何より好きな作家なのに何故…。
まあ仕方ない。
澁澤龍彦も言っていたように、石川淳は「随筆」という言葉が似合い、エッセイとは違う。
石川淳さんの生前は旧仮名でないものは出さなかったけれど、没後はよかったんでしょうか?とたまーに思います。時代に合わせなければいけないというものもあるのでしょうか。
澁澤さんだってそうだものね。

とにかく、やはりいいな、このゆったり読む時間。
まさに、読書の秋ですね。

そして、まだ衣替えしていませんが(驚)
ゴソゴソしていたら、黄緑色のロルバーン!?

しかも2冊!

昔のロルバーン


気分が明るくなるよねと思いつつ、あれ?そう言えば今この色見ないなと調べたら、廃番でしたね。アンニュイな色などが受ける今ですが、私はむしろこういう元気な色が本当に心に刺さります。
歳だね^^;

2冊もあって、Mサイズですが、まだこの頃限定ロルバーンとかなかったんじゃないかな?
よく銀座で、画家さんにもあげたりしていたのは、ここのリングのところに同じくデルフォニックスの筆記具がジャストで入るから便利だから。
切り取れるし。私も音符スケッチに、さささっと薄い方眼の上に五線を引いて使っていました。頑丈だから、立ったまま書けるんですから。
で、やはり値段は違っていたわけで、メモついでにここに。


消費税率が違うからね。
消費税がなかった頃が懐かしい…。

いつか、本の後ろにバーコードがつくなんて!論争ありましたよね(笑)
小さい頃、岩波文庫の値段は星の数だったり。

うーん、私もそろそろなんですかね、その(略

今待ち遠しい本は、赤毛のアンシリーズの、最終巻、「アンの娘リラ」モンゴメリー著、松本侑子訳。

12月文春文庫から。
村岡花子訳で育った私は他の翻訳に魅せられるなんて思いもしなかったし、それを研究、深くやる松本さんみたいな人がいるとは思わず。こんなにもすごい大河小説だとは。聖書を読んだのは、子供の頃ピアノをしていながら、バッハが好きだけれどきっと聖書を読まなければ西洋音楽はわからないだろうなと思って、中学生の時に枕元に置いておき、よく読んだり日曜礼拝に行ったり(無宗教ですが)色々したけれど、少しはその時やったことが後に役に立ってたり。
でも松本さんはすごい。私より少しお姉さんなのに、Xをみるとわかると思うけれど、あの体力、時間の中、やり遂げちゃうんだから!
50過ぎた頃から、思った以上に身体がついていかないことは多く、それでも素敵に、もちろんご本人はギリギリのところでやっていることもあると思うけれど、それを頑張る精神を見せられると生きる希望に湧くのです。
日本初もすごいけれど松本さんのような人は、そのままその人が周りにいい影響を知らずと与えてるのですよね。素敵。

そんな今、夜に一巻から読み返していて、楽しいのです。
ブックサンタにも松本さんの書籍を毎週入れています。どんな子供の手に渡るか、どんな状況でも、その子に希望が伝わるといいなと思いながら。

赤毛のアン止まりの友に、「松本侑子訳読んだことある?」と聞いてないと言われて、じゃあ贈るから待っててと、ドーンと既刊を送ったら喜ばれて、しかもデザインも好きらしく、透明カバー買って飾ってますって。
いや、読んでください(笑)と笑い話。

そして、出版社の意向か松本さんの希望かわからないけれど、これが文庫で出るというのがすごいと思いました。出版社的には日本初全文訳ならば、単行本で出したくなるところ、購入者としては文庫がありがたい。
 訳注もすごいし写真も付いていて最終巻は、第一次大戦の戦場地図二点、カナダと欧州の写真などなど。
待ち遠しくて、私は全くの関係者ではないのに勢い余って書いてしまった。

松本侑子さんに、遠くから感謝。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?