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いじめ被害経験者の「生きづらさ」(続き)

 いじめの被害を受けるとその後も長期にわたって精神的な不調に悩まされたり、あるいは精神疾患を発症することがあると精神科医などが指摘しています。精神科に通院あるいは入院している患者さんたちに、いじめ被害経験の有無を調査すると、経験者の比率が高いことが示されるのではないでしょうか。
 いじめ被害のために学校に行けなくなると、学力や学歴の面でも不利な状態になります。その結果、収入の少ない働き方を余儀なくされている方も多いでしょう。また人間関係をうまくつくれないために、知人や友人が少なく、社会的に孤立しがちになることも推測されます。

 犯罪被害者や性暴力被害者については一定の支援の仕組みができつつあります。しかし、いじめ被害を受けた子どもたちが成人後にいたるまで体験している困難(「生きづらさ」)についてはあまり関心が向けられていません。被害を受けた子どもたちがその後も必要に応じて継続的長期的に社会的支援を受けられる仕組みをつくらなければと思います。被害経験者への継続的な支援についての研究や実践がもっと必要ではないでしょうか。

 また、いじめ被害を経験した子どもたちが、その後の人生を、「重荷」を負いながらどのように生きているのか、ていねいに取材したノンフィクションがあれば読みたいと思います。

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