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私のかかりつけ美術館。 「練馬区立美術館」

1月から参加しているnoteのメンバーシップ「オトナの美術研究会」の月イチお題記事執筆企画。

今月のお題は「お気に入りの美術館」。

行く回数もダントツ、お気に入りというか、もはやかかりつけと言っても良いくらいの練馬区立美術館について書こうと思います。

練馬区立美術館はその名の通り、区立の美術館。池袋方面から練馬の次、中村橋駅から3分程の位置にあります。駅近。

「練馬区立美術館は1985年10月1日に開館しました。 日本近現代美術を中心に、斬新な視点・切り口で開館以来様々な展覧会を開催してきました。」

練馬区立美術館HPより

歴史は意外に浅く80年代に開館。2020年にはこんな35周年記念展も開かれました。

思い出アルバムみたいでとても楽しい内容。こんな展覧会もあるんだなーという新鮮さがありました。

直近の展覧会はこちら。

お気に入りポイント1 なんといっても企画が好き

まず趣味がドンピシャな展覧会が多い。
独自の路線がユニークで、エッジも効いています。

ちょっとしたムーブメントを起こした(と思う)鹿島茂コレクションのような本絡みの展示も得意。エドワード・ゴーリーピーター・シスなども記憶に新しいところです。

練馬区はアニメに力を入れているからか、あしたのジョー馬場のぼるしりあがり寿も取り上げています(なぜか私はこの辺り見逃したけど…あしたのジョーを逃したのは痛恨の極み!)。

舞台芸術を手がけた朝倉摂展もとても良かったです。

近現代アート多めなので、自ずと知らないアーティストの展覧会も多いのですが、それでも行ってみてハズレ(というのもだいぶ失礼だけど)ということがなく、いつも新しい視点に刺激をもらえる美術館です。

なんでもいいからなにか見たいなーという時もここに行きます(かかりつけ!)。

一時期、区内の他の文化施設と共通の友の会に入っていました。展覧会は自分だけじゃなく同伴者一名無料の大盤振る舞い。コロナで一旦やめてしまって、再開しようと思ったら、今やってないみたい。残念。

上野にある大きな美術館のように、世界的な名画を扱うことは多くないですが(とはいえ、マネやシスレー、芳年などもたまにあり)、気軽にアートに触れられる場所。これぞローカル美術館。

伝説の(?)鹿島茂コレクション。これが個人のコレクションというのは衝撃でした。日比谷図書館などへ行ってしまったけど、また戻ってきてほしいなあ。
エドワードゴーリーとピーター・シス。ゴーリーはチラシをもらい損ねた!けど、チケットが凝ってます。
池田龍雄展もよかった!展覧会のポスター(現物)を買って帰って玄関に貼っています。たまに帰り際に気づいてギョッとするお客さんも(申し訳ない。笑)。

↓おまけ。見逃したけど、面白そうだった展覧会。

お気に入りポイント2 イベントも充実

ワークショップやギャラリートーク、コンサートなどの企画にも力を入れています。私も何度か参加しました。

印象に残っているのは「セロテープ®誕生60周年記念 瀬畑亮セロテープアート®展」でのワークショップ。これは大人も参加できるものでした。

作品はセロテープをぐるぐる丸めてぎゅうぎゅう固めた不思議な独特の質感と光沢のある立体作品で、間近で見るとなんとも言えない迫力があります。他にない彼だけの表現。

ワークショップは(現代作家ならではで)瀬畑亮さんご本人によるもの。トークの後、参加者は展示室のフロアに座って(これもちょっと楽しい)全員に配られたセロテープを使ってそれぞれかたまりを作っていきます。ニチバンがスポンサーとなっているので、ワークショップのセロテープもニチバン提供。

高齢者から小さな子どもまで同じフロアに座り込んで、同じことに取り組み、もちろん彼のような大作にはならないんだけど、同じ工程を体験できる。みんな本当に夢中で楽しそうで、とても良い時間でした。

前述の鹿島茂コレクションでは、毎回、鹿島先生のギャラリートークに応募しました。コレクション裏話はすごく楽しかった!

現代作家といえば、こちらもとても面白かった。野口哲哉展。

お気に入りポイント3 動物園も楽しめる

美術館の手前には動物園があります。といっても、美術館の手前らしく、並んでいるのは彫刻の動物たち。小さな公園ながら、練馬区立美術の森緑地と立派な名前がついています。曰く、「ここは幻想美術動物園」。

練馬区立美術の森緑地 入り口
横から見るとこんな感じです。

できたのが2015年なのでもう8年ほど前になりますが、ちょうど練馬区の地域講座で美術館を訪れる回があり、案内していただきました。写真はその時撮ったもの。動物は他にもたくさんいるので、展覧会に訪れた時はこちらもぜひ散策を。

ちなみにこの時の講座では当時の館長ご自身のお話をたっぷり聞けたのと、美術館の展示の裏側をみせてもらったのとで、とても贅沢な回でした(他にも区のいろんな施設を見学した講座でした)。

ユニークな動物たちの他に、ちょっと地味だけど「動物感覚をとぎすます道」というのもあって、そこではいろんな種類の道を歩く時の感触の違いを体験することができます。

動物感覚をとぎすます道

いつ行っても子ども達が遊んでいます。小さな頃からこういう環境に馴染めるのはとても素敵なことですよね。たぶん、大人になってもあの公園は原風景として記憶に残っているんじゃないかなあ。

大人はさすがに遊んだりはしないんだけど、ここを抜けて美術館に入るのはなんとなく気分が盛り上がります。

階段を上がり、美術館のすぐ手前には迫力のある見事な彫刻。動物たちを後にして最後に見るのが、ここに映し出される自分(人間)の姿、ということだそう。

なるほど!

映り込んだ自分と周りの風景もアートの一部に。

リニューアルを計画中

そんなお気に入りの練馬区立美術館。貫井図書館や隣のサンライフ練馬とともにリニューアルを計画しています。2025年から工事に入る予定で完成は2027年。

2年も工事中なんて、その間一体どうしたらいいんだ! 練美ロスになりそうですが、どんな感じに生まれ変わるんでしょうか。

今の美術館も好きなので少々複雑な気もしますが、駅前もあわせて程よい雰囲気の、今までの練馬のイメージより少し大人っぽい街になるとうれしいなと個人的には思っています。練馬は今までアニメ推しばかりだったので(いや嫌いではないんですけど)この周辺はもうちょっとこう、落ち着いた感じで。

美術館と図書館の建物そのものだけじゃなくて、街のあちこちにもいろんなギャラリーとかおしゃれな雑貨屋とかカフェとかもっと充実すると、街歩きも楽しいですよね。

練馬区の基本構想にご興味ある方はこちらへ↓

こちらもよかったら。練馬区立美術館での思わぬ再会、「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」。


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