毒親に育てられるということ。

毒親にもいろんな種類がある。肉体的な暴力を振るう親は、毒親と言うよりは本当にただの犯罪者だと思うけれど、私の親は精神的な暴力を振るう方の毒親だ。ただし、親は両方ずっと家にいて、ご飯もお弁当も作ってくれる。だから、それでも他の人に毒親だと言われた時には、少し抵抗があった。けれども今はちゃんと言える。私の親は毒親だと。ちょっと罪悪感はあるけれど。だれかかもしこれを読んで自分の親が毒親だと分かったら、なるべく早く逃げてほしいと切実に思う。

毒親という単語は知らなかったけど、そうかもと思わせる最初の決定的な出来事は、小学校の時。親が転勤族だったせいで小学校に3つもいき、まともな友達ができないままいじめられていた。それでも、私は親に怒られないように、認められるような頭が良くて手伝いもたくさんするいい子を演じて、学校が楽しい風に見せかけていた。親が入るとめんどくさいと言うのもあったけど。いじめはあまりにもひどくなり、とうとう担任の先生が親に言ったらしい。それを知った両親は、私に対して怒った。なんとなくそうなると感じてはいたけど、いじめた相手ではなく、私に怒った。なんで言わなかったんだと怒鳴られ、お前も悪いとかそんなことだった。大体いじめられていることを知って怒るような親に自分から相談できるかよ、と思っていたが、そのことが、当時の私にはそれなりに悲しかったし、私の居場所のなさを本格的に感じたきっかけだった。

大体、小さい頃から私は自分の成績以外で親に認められたことがなかったと思う。今はそれで認められることすらない。頭がいいだけで何もできないと何回言われたことか全くわからないし、お前がどんだけいい大学や院にいこうが奨学金をとろうがとれまいが関係ない、応援などしていないからと明言されている。いい大学に行ってる人が何かの犯罪で捕まったりするたびに、この人も頭「は」いいけどねぇ〜なんて嫌らしく私を見ながら言われたりもする。「高学歴なだけのドアホ」とつい数日前に言われたが、母親が私のことをどう思っているのか端的にまとめるとそうだと思う。「あなたに友達がいる理由がわからない」「気持ち悪い」その他相当な暴言を吐かれてきた。

あと、親は私のことを男好きだと勝手に妄想している。誰でもいいからとりあえず男を引っ掛けるようなやつだとでも思っているらしい。大学のことや外出のこと、時にはラインの内容まで私は全て報告させられるのだが、男の名前が出てくるとその時点で関係を怪しむ。それも、何人かの名前が出ても全員疑う。どんなプレーガールだよ。こんくそ。私の友達で私が男で遊ぶなんて思っている人は本当に1人もいない。むしろ、勉強のしすぎで生物学と結婚した女、と言われるくらいだ。この時点でどれだけ親が私のことを理解していないかが見える。私は、二十歳になった今も、男の人と2人で出かけることを許されていない。昼であろうと、行き先が本屋であろうと、カフェであろうと。だいたい、母親は私に「男と個人チャットをする時点でおかしい」ともいう。そんな男にわざわざ2人で話すことがあるか、と。どう考えても頭が狂いすぎててどこから話をしていいか正直私もわからない。男友達というコンセプトすら理解してもらえないし、吐き気がするのだが、男はみんな性犯罪予備軍だという相当な偏見のうえに、自分がその気がなくても相手にあるかもしれないからと、男と関わること自体に否定的だ。こんな理不尽なことはない。サークルや学校のイベントに行くにも、行かなくてもいいのに行くのはどうせ男女でワイワイしたいからでしょ、出会いが欲しいんでしょなどいちいちうるさいのでもう行かなくなった。理不尽さをどれだけ理論的に説明しても、結局私のいうことは頭でっかちで二十年という浅すぎる人生の元にしか経っていないということで一切聞く耳もたれず、「親だから」という理由で私の外での1日を全て管理される。だるい。心からだるい。

毒親は子供のエネルギーの吸血鬼だと思う。大学3年生になっても、こんなことでエネルギーを削がれてしまうのが本当にしんどい。もっと論文を読んで、院のことを調べるはずの期間に、説教され、罵倒される。このままいくと本当に精神的に息ができなくなって、死んでしまうのではないかと思う時もある。わたしの今の人生の目標は、とりあえず親と離れること。正直、大学院だって、その目標さえ達成されて、安全な地域ならそんなにハイレベルなところじゃなくたっていい、そう思うほどに今の私の最大かつ切実な目標である。


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