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90冊目:ふつう

2023年ラスト読書はふつうでした。友人が貸してくれて、なんとなく読み始めたらセンスの塊やった。

ふつうで愛らしいもの

著者は日本のプロダクトデザイナーである深澤直人。彼は無印良品のデザイナーでもあり、ふつう、あたりまえ、デザインされていると感じさせない日常に溶け込む商品を生み出している。そんな彼のふつうへのこだわりが本書から感じられて、私もまたふつうっていいなぁと思った。

「ふつうのものがないなぁ」と、いつも物を選ぶときに思う。また、私は、エレベーターとかドアとか列車の内装とか、オフィスのデスクとか小さな橋とかを、デザインしてみたいなぁと思う。
その理由は、「ふつうのものがないなぁ」といつも感じているからだ。

本書より

この本を読むまではデザイン性や斬新さ、目新しさはいいことだと思っていた。普通なものは面白くない、誰にでも作れそう、今じゃなくていいやなど、当たり前であるものに価値を感じにくくなっていたと思う。

ふつうとは

ふつうのものとは、”みんなが何となく思い描いている共通の概念”を指す。

本書より

User Conceptual Model (ユーザー概念モデル)という言葉がある。それは、人の言動から連想する像、あるいは概念で、要は頭に思い浮かんだ姿や形を指す。本書では例として紙コップが挙げられている。紙コップと聞いて頭に浮かぶ像は皆だいたい色は白くて、真上から見ると丸くてと同じものを思い浮かべる。

その概念はきっとこれからもずっとふつうであり続ける。すでに完成された"ふつうの極み"に余計なデザインは必要ない。

「ふつう」という事は、「もう、これでいい」と思える事かもしれない。

本書より

富士山

本書223ページに富士山。ふじさん!
これを読んでいた時は新幹線の中。車窓からは富士山が見えた。小さな感動と喜び。
制作者の遊び心に感謝。

ふつう p.223

日本民藝館

著者は本書の中で日本民藝館について少し触れていた。ここの館長をしているらしい。

ここにもいつか、いってみたいな。

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