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Libya Updates #41: January 2021 Week 3


こんにちは🕊
この1週間のリビアに関する動きを整理しました。

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リビアのこれまで
40年以上続いたカダフィによる独裁体制が2011年に崩壊。新たな政府樹立を巡り、衝突が続いてきた。
現在は首都トリポリを拠点とし、国連の仲介で2016年に樹立した国民合意政府 (GNA)と、東部の都市トブルクを拠点とする政府 (HoR) が分裂している構図だ。
HoRが支持するハフタル将軍率いる勢力が2019年4月、トリポリへの侵攻を開始した。GNA側の民兵組織らが応戦し、武力衝突に発展。GNAにはトルコ、ハフタル勢力にはUAEやロシアなどがつき軍事支援などを行ってきた。
6月はじめにGNA勢力がトリポリを奪還し、ハフタル勢力は同地域より撤退。10月以降は停戦へ向けた協議が進んでいるが、現地での戦闘は続いている状態だ。

■2020年のリビア

■先週のアップデート


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1. 国内の動き

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国連主導の和平プロセスに動きがあった。
GNAとHoRから選ばれた75人のメンバーは土曜日、新たな暫定政府の樹立方法について合意した。

対立する2つの勢力は昨年10月に停戦、翌月には今年12月に統領と議会の選挙を行うことを決定している。ただ、北中部のシルトなどでは軍の撤退が依然として進んでいないほか、具体的な進展は見られていなかった。

国連リビア支援ミッション (UNSMIL) のステファニー・ウィリアムズ特使は今回の決定が「最大の妥協」だとしている。


2. 国際社会の動き

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国連安保理は15日、UNSMIL特使に新たにジャン・クビス氏を起用することを承認した。
クビス氏は元スロバキアの外務大臣で、現在はレバノンの特別調整員を務めている。アフガニスタンとイラクでの国連特使としての経験も持つ。

グテーレス国連事務総長は昨年12月、中東地域の特使としてイスラエルとパレスチナの仲介に取り組んできたニコライ・ムラデノヴ氏を新たな特使に推薦していた。だがムラデノヴ氏はオファーを辞退している。

UNSMIL前特使のガッサン・サラメ氏は今年3月に辞任しており、現在はウィリアムズ氏が暫定特使を務めている。


3. 新型コロナウイルス

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リビアでは21日 (現地時間) 時点で、累計111,124人の感染者が確認されいている。1週間の新規感染者数は4,454人。日に平均約630人以上の新規感染者が確認されている計算。累計死者数は1,715人で、1週間で86人の増加。


同国の感染者数は5月頃まで数十人規模で推移してきた。爆発的な感染拡大が始まったのは6月。10月末をピークに新規感染者数は減少傾向にあるものの、依然として高止まりの状態が続いている。

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人口は約689万人。
情勢不安の続いてきたリビアでは、パンデミック以前より医療保険制度がきちんと整備されていない状態。感染者に対応するための病床や医療器具なども不十分だ。

4月から5月には医療従事者や医療施設への攻撃も多発。6月以降は市民が地雷の爆発に巻き込まれる事態が相次いだ。


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直近の戦争が20年近く続くアフガニスタン。
「わたしたちが続けなければ、『彼ら』が力を持つ。ただ殺されるくらいなら、活動を続けるほかない」。現地で平和教育を続けるアジマールさんのお話です。

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