僕らが畑を始めた理由

僕は移住した初年、島牧村の家の裏にある畑で一人でチャレンジを始めた。


僕が畑を始めた理由は何のことはない。
妻が「畑をやりたい」と言いだしたからだ。
言いだすのは妻、実行するのは僕。
これ、夫婦の暗黙の了解みたいなもん。
けれど、全くやったこともなかった土いじりを始めるのに何の躊躇いもなく手を出せたのは、
やはり震災の影響が大きかったように思う。
震災で「食べ物は大事」「安全って何?」ということを痛感させられた。
自分たちが口に入れる食べ物が本当に安全かどうかを突き詰めると、
自分自身が作った野菜に勝るものはないという点に行き着いた。
これ以上のトレーサビリティはない。
どんな農薬を使ったのか、肥料を使ったのか、どんな育て方をしたのか、
種は?苗は?全ての答えを自分が知っている。
(※野菜は無農薬無肥料で育てている)


食の安全は理由の一つ。
もう一つは仕事につながるんじゃないかと考えたから。
縁もゆかりもない北の大地でフリーランスで食っていくのは結構しんどい。
北海道の基幹産業は何だろうと思ったときに「農業」がふとよぎった。
野菜や加工品の販促などで役に立てるかもしれない。
しかし、農業のことを全く知らない奴が野菜の販促でいい企画が作れるだろうか。
やってみたら少しはわかるかもしれない。
実際、畑を始めたことで農家さんとある程度共通言語で話ができるようにもなったし、
おかげさまでいくつか仕事にもなっている。

元々土いじりなんて全くしたいと思ったことがなかったのだが、
この二つの理由で始めることにした。

実際にやってみると、芽が出たときの喜びや体を動かしたことでの充実感を感じられた。
また、うまく育たなかったり、失敗するなど農業の難しさ、奥深さも感じた。
来年こそはうまく作ろう。
来年は何を植えよう。
まだ秋だというのに、来年の畑のことがふと頭をよぎってしまう。
安心安全で美味しい食べ物が常にあるって、
とっても豊かなことなのだと思う。

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