見出し画像

「A2H」で人生を上手にフォルダ分け

パソコンの中に埋もれた大量のファイル整理からヒント。

高校・大学・社会人そして結婚と、30代までいわゆる普通な人生を過ごしてきたある日、パソコンの【ドキュメント】内に溜まった大量のファイルを見て、さすがに整理しないとと思い立ったのがきっかけで、はじめた人生のフォルダ分け。これが誰の参考になるのかは分からないが、自分の人生が「普通」なだけに結構使えると思ってくれる人も多いのでは、と思い筆をとる。

パソコン内のフォルダ分け、だけじゃもったいない。

自宅のパソコンで仕事メールも送受信できるように設定していたので(ホントは当時の会社的にはマズいのだろうが)、添付されてくるワード・エクセル・パワポ・PDF・各種画像ファイルなどが、【ドキュメント】内にどんどん溜まっていく。さらに結婚式やら保険やらプライベートのファイルまで入り乱れ、「そのうち万能なフォルダ作って、スマートに整理しよう。」と思いながらも、いまいち良いフォルダ分けのアイディアが浮かばないまま放置してきてしまった。Googleで検索してもありきたりのフォルダ分けしか出てこなかったが、良いヒントをもらえた。それは「アルファベットでフォルダ名を付ける方が検索しやすく、ブラウザの「お気に入り」フォルダとも一致させておくとよい」というもの。なるほど、悩んだ末にAから順に思いつくフォルダ名を付けて、自分が生きてきた記録の全てを整理していくことにした。このまま増え続けるファイルに埋もれたままの生涯を送ってはならない!人生をかけたフォルダ分けの始まりである。

【Academia】学び続けたい、学ぶ歓びを伝えたい。

振り返れば、人生は全て学びから始まる。親・学校に始まり、多くの失敗体験や成功体験が学びそのものだ。そして知的好奇心・自己研鑽・資格取得・執筆出版などなど、いくつになっても学びたい・学ぶ歓びを伝えたいという欲求があるはず。50代までに博士号も取りたいし、家族に誇れる資格も取りたい。今まで働いてきた業界や専門分野に関する執筆もしたい。考えが膨らみ過ぎたかもしれないが、やはり人生フォルダの一丁目一番地は【Academia】で行こうと決めた。

【Business】仕事人として、何を成したいか。

社会人となって、平サラリーマンなりにも、給料をもらえるだけの仕事をしてきた。そして、2社目・3社目と自分の仕事の価値が上がってきたことも実感している。書いてきた企画書や報告書は数知れず、小さい成功も記録として残したい。本来、過去に勤めていた会社でやった仕事の記録は、データとして持っているべきでは無いかもしれない。でも、キャリアという足跡を振り返った時、数少ないがキラッと光る実績を確認できるのは嬉しいじゃないか。そしてこれからも仕事を通して「何を成せるか・成したいか」問いながら、【Businss】フォルダを満たせるキャリアを歩んでいきたい。

【Community】自分は生かされている、という真実。

ヒトとは社会を構成する生き物である、とはよく言ったものだ。当たり前だが非常に深い。幸運にも自慢できる両親のもとに生まれ、今は兄弟みな離ればなれだがいつも気にかけあい、そしてさらに幸運にも素敵な妻と子供2人授かった。友達は決して多くないが、学生時代から社会人になるまで、話すと元気にさせてくれる仲間たちにも恵まれた。いま住んでいる地域の人も、何人かだが仲良くなれた。子供たちの繋がりから、学校PTAや少年野球チームで親御さんたちともつながりが持てた。同時に、消滅していった過去のつながりもある。人のつながりは、人生のステージで変化する。むかし消えたと思っていたつながりが、SNSで復活したりもする。自分という存在は、人のつながりの中にあって、初めて価値が生まれるものだ。そう考えると、自分は(家族も含めた広い意味での)コミュニティによって生かされている。これからもそうだろう。

【Design】カタチ化した概念、コトバ化した発想。

幼少からねんど遊び、ブロック遊び、お絵描き。どれも呆れられるほどやってたらしい。今こうして仕事でもプライベートでも、いつもクリエイティブにやってられるのも、構想すること・デザインすることが純粋に好きだからだ。この人生フォルダA2Hももしかしたら、デザイン好きの延長かもしれない。概念をシンプルに形にする、発想を純粋に言葉にする。様態観察から本質を見通せる生き物のようなデザインにこだわりたい。

【Economics】生き方の選択肢を得るための原資。

毎年の年収・貯蓄・投資・学資保険・ローン返済額のファイルや記録を保存しておくためのフォルダ。いつまでにどこまで貯めて、どこまで返済し、将来どんな財務ビジョンを達成したいのか、自分自身の経済ポートフォリオとして常に忘れないためにもこのフォルダは定期確認・定期更新しておきたい。サラリーマンをやっていると、源泉で引かれるため自分が毎年いくら納税しているか把握しにくいが、所得税・住民税・固定資産税に加え、消費税(購買に使った金額の10%)も合算して記録しておくと、社会への貢献度の推移を把握できる。年金やiDeCoも把握しておきたい。

【Fitness】心身の健康は、自ら創るもの。

私と同じ世代の中高時代は、いわゆる部活動が運動だったという人は多いだろう。そこで鍛えられた心身は、基礎として一生を支えることは間違いない。しかし、心身の健康は社会人になってからの「悪習慣」で徐々にむしばまれていくケースも多い。例えば喫煙・飲酒などは、直ぐに影響は出ないものの、間違いなく健康を蝕む悪習慣だ。また、オフィスワークなど「座ったまま」の時間や、車通勤など自宅から勤務先まで「歩かない」ことも悪習慣だろう。心身が蝕まれる前に悪習慣を断ち、スタンディングデスクや一駅歩行・ジム通いなど、運動習慣を生活に取り入れていきたいものだ。このファイルには、体重・体脂肪の推移や、運動記録・歩数記録といったデータや、将来の自分の健康を描く上でのアクティビティプラン(富士登山や自転車旅行、ウォーキング大会への参加)なども入れたり、健康診断の結果や献血後に届く血液検査の記録などをトラックしていくのも面白い。自らの健康を描き、積極的に追いかけるためのフォルダだ。

【Goodwill】幸福を与えること。

フォルダ名は『Give』でもよい。与えることに特化したフォルダで、何をどこにどのように与えたか、の記録を格納していく。誰に与えたかを恩着せがましく記録するというよりは、定期的に「誰かに与える」行為を行っているかを確認する記録だ。つまり、自分自身が「ギバー」として生きているかを確認するためだ。

【Happiness】幸福を得ること。

フォルダ名は『Have』でもよい。幸福を感じることは一人ひとり異なるが、「趣味を持つ」ことは間違いなく、幸福感を育んでくれる。例えばDIYが趣味の人は、自分で描いたウッドデッキやイスなどの設計図ファイルを保存するのもいいだろうし、楽器演奏が趣味であれば楽譜や演奏記録、野菜作りなどの土いじりが趣味であれば、作物の育成記録を保存するのもいいだろう。

【A2Hの万能性】人生を充実させるシンプルなフォーマット。

A2Hの項目のどこにも属さないパチンコ・宝くじといった賭け事や、飲酒・喫煙などは、そもそも出てくる余地が無い。A2Hの8つのフォルダ分けは、非常にシンプルに人生をデザインさせてくれると同時に、「何が大切か」を明示してくれる。「A2Hのフォルダ分け」は、スマホ画面のアプリの整理・統合にも有効で、例えば各種ネットバンクや証券取引などのアプリは「Economics」へ、FacebookやLINEなどのSNSアイコンは統合して「Community」に放り込めばよい。各種Googleアプリをまとめるため、GはGoogleに取られてしまったが(笑)。


スマホのA2Hアイコンまとめ例

さらにネットのブラウザに保存された「お気に入り」内の整理にも、このA2Hが役に立つ。例外は天気やニュース(Yahoo)・検索やカレンダー(Google)ぐらいで、それはスマホ画面でもお気に入りでも、フォルダに入れずに直ぐに使えるようにしておけばよい。
さらに、デジタルだけに限らない。生きてきた中で、家族や友人からの手紙や、社内表彰・保険やローンの証書など、紙の現物で保管したいものもあるだろう。そういった紙たちを、実際にバインダーファイルに綴じていくことで、デジタルとアナログをA2Hという同じプラットフォームで管理できる。

紙などのアナログ物もA2Hで整理

そして、最後にA2Hの究極系を紹介したい。マンダラチャートという目標シートを聞いたことがあるだろうか。大谷選手が高校時代に、実際に「大リーガーになる」という目標を成し遂げるために作ったのが話題になった。このマンダラチャートには9マスあり、一番中心にくるのが「大リーガーになる」に相当する究極目標だ。これをA2Hに当てはめるとどうなるのか?9マスに対してA2HはAからHの8つではないか、と思った方もいるかもしれない。しかし、思い出してほしい。A2Hの8つの項目は、ある目的を成し遂げるための手段だったことを。そう、ど真ん中に来る究極目的は皆同じではない、一人ひとりの生きる目的なのだ。幸運にも人間として命を授かり、数十年~100年近い一生を得た。そこには必ず何かしらの意味があるはずで、それを見つける旅こそが人生かもしれない。例えば「人生の質を最大化する」という漠然とした目標もありだし、「濃い人生を送る、自他ともに価値ある人生を送る、完全燃焼する」なんてことも究極目標に据えられるかもしれない。


単なるフォルダ分けの妄想から始まり、かなり哲学的なところまで来てしまったが、A2H式のマンダラチャートの中心に来るべきことは、今生きる「あなたの命の目的(ライフパーパス)」なのだ。パソコン内を整理する際には、ぜひともA2Hを試してもらいたい。きっと何が大切で、何が不要かはっきりし、日々生きる時間の重みが変わるはずだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?